東京都は30日、新型コロナウイルス新規陽性者数が過去2番目に多い944人を確認し、重症者数は緊急事態宣言解除後最多となる85人と発表した。
小池百合子都知事(68)は臨時記者会見を都庁で開き年末年始を「分水嶺(れい)」とし、感染拡大に歯止めがかからなければ、年明けにも緊急事態宣言を再度要請する可能性があると強く危機感を示した。
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小池知事からの強い“自粛令”だった。特に「若い方に言いたい」と切り出した。感染が全体の約5割を占める20代と30代に向けて「コロナを甘くみないでください。年末年始の楽しみは諦めて。飲み会はなし、帰省もなし。夜間の外出もしばらくはなし」と厳命。若年層の重症化リスクは高齢者に比べれば低いが「入院や重症化することもある。長引く後遺症に悩まされている方も多い。こんなはずじゃなかったと思った時は、もう遅い。皆さん自身の将来を守るために、日々の生活を見直して」と訴えた。
過去1週間で確認された新規感染者5007人のうち、20代が26・7%、30代が20・3%と、20~30代で全体の5割近くを占める。拡大原因トップの家庭内感染も若者世代の社会活動状況が反映された形だ。現在の感染者増加率123%が続けば、2週間後には1日当たり約1136人と算出されている。
また、医療提供体制に関しても、これまでは新規感染者の約25%が入院を余儀なくされていることから、現在の2200人超から、4828人に達することになる。都が医療施設に要請している4000床確保を大きく超え、医療崩壊につながる懸念も高まってきた。
同知事は「大変厳しく、重要な局面。いつ感染爆発が起きてもおかしくない。このままでは医療が受けられず、助かるはずの命が助からなくなる。この年末年始は分水嶺(れい)」とし、「感染が抑えられなければ、緊急事態宣言の発出を要請せざるを得なくなる」と危機感をにじませた。酒類提供飲食店などへの営業時短短縮や、発令中の「年末年始コロナ特別警報」では、歯止めが利かない危機的状況。会見前に菅義偉首相と電話会談したことも明かし、緊急事態宣言を再要請する可能性も示唆した。【鎌田直秀】
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