当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、エニックスから発売されていたアドベンチャーゲーム『エルドラド伝奇』となります。
「リーン! リーン!」夜中に突然鳴った電話、それは親友アキラからだった。彼の声は恐怖に震え、「殺される」「エルドラド」などと、訳の分からないことを言っている。「ウワアーーッ!!」その悲鳴を最後に、アキラからの電話は切れてしまった。ボクは、アキラの家へと走った。そこで見つけたのは、彼の無惨な死体と、アキラの残したビデオテープ。それには、黄金の都エルドラドに関する数々のデータと、アキラの妹・ホシコが掠われたというメッセージが残されていた。これを受けて、ボクはアマゾンの奥地に存在するというエルドラドへと向かう。獣の咆哮するジャングルで待ち受けていた新人種アマゾネコとは、敵か味方か!? 見たこともない怪獣達との死闘、そして数々のトリック。ボクはホシコを救い出し、エルドラドに眠る巨大な黄金を手に入れることができるのだろうか……。110画面の美しいアニメグラフィックで展開する、伝奇スペクタクル巨編。君の名推理に、この事件の解明を任せる!
このようなストーリーの本作は、ロード終了後にアキラからの電話のシーンからスタートします。今回使用したFM-7版では、電話が鳴る音や雷鳴、飛行機のプロペラ音などが効果音として入っているため、プレイ中は非常に盛り上がりました。PC-8801などの他機種版では、効果音はBEEP音となってしまうため、臨場感が少々欠けるのが惜しいところです。
本作は、アドベンチャーゲームにありがちなコマンド入力式ではなく、コマンド選択式を採用していました。動詞は画面右側に一覧が表示されているので、そこからカーソルで選ぶと、続けて対象物を選択する仕組みです。その際にも、8×4のグリッドに分かれた指定範囲から、または持ち物一覧から選ぶだけという、とてもシンプルなシステムでした。
だからといって謎解きが簡単、というわけではありません。本作は、序盤を越えられない難易度のゲームとして発売当時から話題となっていて、山下章さんが執筆した書籍「山下章のレスキュー!A.V.G&R.P.G」の『エルドラド伝奇』コーナーでも「かつて『サザンクロス』や『デゼニランド』の最初で悩んでいる人もわりといたけれど、この『エルドラド伝奇』の最初のムズカシサはそれと段ちがい。おそらく、今までのAVGの中で最高に難しいスタート場面だろうね。」と書かれていたほどでした。
その序盤ですが、ストーリーに書かれているように主人公はアキラからの電話を受けて彼の自宅へと向かい、アキラの部屋に入ります。ここで各所を調べた後に条件を揃えると第1章が終了するのですが、その最後に「アキラのプログラムを持っているか」という質問が出され、これに“Y”と答えられないとゲームオーバーでした。この“アキラのプログラム”が見つからないため、買った人の多くがここで挫折したのではないかと思われます。もちろん、プログラムを持っていないのに“Y”と答えても先には進めませんが……。
そこを抜けても、ちょっとした心理のスキをついた罠が数多く仕掛けられていたので、全般的にはコマンド選択式らしからぬ、非常に歯ごたえある謎解きが楽しめました。当時挫折してしまったという人も、大人になった今ならばクリア出来るかもしれません?
ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち 連載一覧
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- PC-8801mkIISRの人気を不動のものにした「テグザー」
- ボクたちの堀井雄二さん作品といえば、コレ!「ポートピア連続殺人事件」
- 誰もが知っている“ボンバーマン”の元となった「爆弾男」
- “ボンドソフト”の名前を一躍有名にした名作「タイムシークレット」
- 日本での初期RPGの代名詞とも言える「ザ・ブラックオニキス」
- MSX用のベストゲームとして挙げる人も多い「グラディウス2」
- コンピュータRPGの原点とも言える「ウィザードリィ シナリオ#1」
- 光栄の歴史シミュレーションシリーズ、その柱となる1本にして今も新作が続く「三國志」
- ザインソフトの名前を広く知らしめた「トリトーン」
- 数多くの機種にハイクオリティな移植を実現したマイコンソフトの「パックマン」
- スクウェアとサンライズがタッグを組んだ「クルーズチェイサー ブラスティー」
- 可愛らしい絵柄とは裏腹に歯ごたえあるアクションゲームだった「メルヘン・ヴェール」
- 全世界で大ヒットを記録した歯ごたえあるアクションパズルゲーム「ロードランナー」
- テレネットの底力がいかんなく発揮されたアクションゲーム「夢幻戦士ヴァリス」
- これぞハードボイルドゲームの傑作といえる1本「マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~」
- X68000の機能を活かしたアーケードクオリティのアクションゲーム「GENOCIDE」
- シンプルな画面に隠された謎に夢中になった「MYSTERY HOUSE」
- ポニカの強み、版権ものタイトルの1本として登場した「南極物語」
- 今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある
- 木村明広氏の美麗なビジュアルシーンが印象的なRPG「エメラルドドラゴン」
- シンキングラビットがおくるミステリアドベンチャーの傑作「道化師殺人事件」
- ボーステックから発売された、謎多きゲーム「レリクス」
- 敵をよけつつ岩を運ぶアクションパズルの名作 デービーソフトの「フラッピー」
- 初期アドベンチャーゲームの傑作にして、今も語り継がれる「デゼニランド」
- 巨大なスケールと隠された謎の多さに驚かされた名作第2弾「ハイドライド2」
- シリーズ1作目にして高い完成度を誇った光栄の「信長の野望」
- あの名作シューティングがついにPC-88シリーズにも移植された!「ゼビウス」
- デカキャラとの戦いが3Dアクションで展開された呉ソフトウェア工房の「アルゴー」
- モンスターヒット作があらゆる面でパワーアップして帰ってきた!「ザナドゥ シナリオII」
- 「テグザー」に続く、ゲームアーツの傑作タイトル「シルフィード」
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- “ハイドライド”の内藤時浩氏による商業デビュー作『コスモミューター』
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- 名プログラマの森田和郎氏が手がけたフルカラースクロールアクションRPG『リグラス』
- 家族4人+1匹でドラゴンに立ち向かう『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』
- コンテストで最優秀賞を獲得、マジカル ズゥのアドベンチャー『黄金の墓』
- 幾千通りものシナリオを体験できた『ティル・ナ・ノーグ <ダーナの末裔>』
- 現在も続く「大戦略」シリーズの始まり『現代大戦略』
- 驚くほど滑らかに縦スクロール、名作シューティングゲーム『NOBO』
- PC-8001とは思えない滑らかな動きに驚かされた『FAN FUN』
- マイクロキャビンの名作アドベンチャーゲーム『ミステリーハウス』、その2作品目の難易度は!?
- 飛んでいくボールに合わせてスクロールする画面が斬新だった『アルバトロス』
- アーケード版と遜色ないクオリティで移植された名作『源平討魔伝』
- あまりにもカルト過ぎる問題が一部で話題を呼んだ『試験に出るうる星やつら』
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- 魔城伝説シリーズの第2弾はアクションRPGとして登場! 『魔城伝説II ガリウスの迷宮』
- 当時としては驚くほどリアルなピンボールが遊べた『スーパーピンボール』
- 前作から大幅にパワーアップして舞台は全国に! 『信長の野望 全・国・版』
- 当時の移植作の中では秀逸な出来だったMSX版『グラディウス』
- 「あべしっ!」「ひでぶっ!」あの名台詞がゲーム中にも登場!~1986年発売『北斗の拳』~
- ギルに助け出されたカイがパソコンでも大活躍!『ザ・リターン・オブ・イシター』
- アーケードゲームを中村光一氏が移植、のちに改名されたPC-8001版「スクランブル」
- ザインソフトが手がけた SFハードアクションRPG『未来』
- ファルコムタイトルの中でも、群を抜いてレア度の高い1本『バードランド』
- より戦略性が増した「大戦略II」、生産タイプが増え、同時攻撃や間接攻撃も可能に!
- アドベンチャーゲームに新たな流れをもたらした『は~りぃ ふぉっくす』
- スクウェアの『アルファ』、ほぼ全シーンでアニメーション処理が導入されたADV
- ボクらのマリオ!ハドソンソフトの『マリオブラザーズスペシャル』
- 「Lotus 1-2-3 R2.1J」 あの頃の表計算ソフトと言えば、Microsoft Excelじゃなかった!
- 3機の合体シーンが印象的だった超メカシューティング『ヴォルガード』
- ファルコムのFM-7向け初アドベンチャーゲーム『異次元からの脱出』
- 「死体蹴り」の元祖といえばこのゲーム! 『エグゾアII ウォーロイド』
- 主役はマリオ、でも中身はハドソンオリジナルの「パンチボールマリオブラザーズ」
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- 剣と魔法と煌めく世界観が眩しいRPGだった『ソーサリアン』
- 超高速ペイントルーチンを採用!エニックスのアドベンチャー『創造神ギャリアンの復活 暗黒城』
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- 全国のパソコン・マイコンユーザーに衝撃を与えた『タイニーゼビウス』
- レベルアップがなかったRPG『夢幻の心臓』、シリーズ3部作の第1弾
からの記事と詳細 ( 君は序盤の高難易度シーンを超えられたか?エニックスの『エルドラド伝奇』 - AKIBA PC Hotline! )
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