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Saturday, May 22, 2021

ワクチン接種急ぐ政府、突貫工事でトラブル置き去り 大規模接種にくすぶる不安 - 東京新聞

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ワクチン接種の受付から接種終了まで一連の行動予行で、公開された予診票確認場所=21日、東京都千代田区の大手町合同庁舎3号館で(代表撮影)

ワクチン接種の受付から接種終了まで一連の行動予行で、公開された予診票確認場所=21日、東京都千代田区の大手町合同庁舎3号館で(代表撮影)

 防衛省・自衛隊が東京と大阪の2カ所で運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターで24日、高齢者対象の接種が始まる。菅義偉首相の号令で、1カ月足らずでつくられた予約システムは、架空予約を防げないなどの問題が次々と発覚したが、週明けには早くも、接種に合わせ予約対象地域が拡大する。自治体側にも独自に大規模接種に取り組む動きが広がっている。不測の事態が起きる恐れはないのか。(星野恵一、上野実輝彦)

◆システム改善を指示

 「食べ物や薬でアレルギーはないですか」。東京・大手町の合同庁舎3号館の東京会場で21日、リハーサルが行われた。看護官がエキストラを相手に手順を確認。予診を担う医官は「多くの高齢者の方が来る。万全な運営ができるよう進めていきたい」と話した。

 東京会場のインターネット予約システムでは、架空予約が可能なだけでなく、正しい接種券番号を入力しても予約できない人がいることが判明。本紙には21日にも、同様の情報が多数寄せられた。

 岸信夫防衛相は記者会見で「利用者に混乱が生じているという報告はない」としたが、衆院厚生労働委員会で、防衛省担当者は「生年月日の誤りに気付いて最初の画面で再入力しようとしても、受け付けられない仕組みだった」と不具合を一部認め、運営を担う業者に改善を指示したことを明らかにした。

◆予約の数を重視した結果

 トラブルの背景には、首相の唐突な指示がある。首相が開設を命じたのは先月27日で、予約開始は今月17日。「短期間で完璧な予約システムを作るのは無理だった」(防衛省幹部)。防衛省は人員確保や会場運営の民間委託手続きなどを、急ピッチで進めざるを得なかった。

 担当者は、予約を厳しくチェックするより「システムをパンクさせず、いかに多くの予約を受けるか」を重視したと明かす。接種券番号や個人情報を持つ自治体のシステムと連結できず、当初から、自治体との二重予約を防げないと指摘されていた。岸氏は「国民の個人情報を(防衛)省が把握するのは適切でない」とも話す。自衛隊が予約を扱うことには無理があった可能性がある。

◆自治体も急かして

 首相は1日100万人の接種目標を掲げ自治体にも接種を急がせている。政府が期待するのは、都道府県や政令指定都市が設ける大規模接種会場だ。東京都や愛知県、横浜市、川崎市などが設置を表明。河野太郎行政改革担当相によると全国で30に上る。政府は設置費などを補助する。

 愛知県は、国と同じ24日から接種を始める予定で、2カ所の会場で1日最大3000人の接種が可能。予約は市町村を通じた形に一本化し、住民情報とひも付けることで、二重予約や架空予約を防ぐ。ワクチンは市町村では米ファイザー製を、大規模会場では米モデルナ製を使用。異なるワクチンを打つのを防ぐため、1回目の接種時に同じ場所での2回目の接種予約を取るよう促す。

 ただ、モデルナ製は21日に承認されたばかりで、取り扱いに必要な情報が十分提供されず、県の担当者は「急いで情報を集めている」と話す。

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