実はこの傾向は近年だけのものではない。弥生賞と菊花賞を両方制した馬は96年のダンスインザダーク、99年のナリタトップロード、05年のディープインパクトなど数多い。また、平成以降の弥生賞の勝ち馬の牡馬3冠での成績を見ると、皐月賞が[3-6-6-15]の勝率10%、複勝率50%、日本ダービーが[6-3-4-15]の勝率21%、複勝率45%、菊花賞が[5-4-3-7]の勝率26%、複勝率63%。実は菊花賞で最も好成績を残しているのだ。弥生賞といえば毎年のようにスローになるレース。それだけに激流になりやすい皐月賞よりも、ペースが落ち着きやすい菊花賞とリンクする…と考えるのはこじつけが過ぎるだろうか。
逆に考えると、菊花賞で好走しそうな馬を弥生賞で狙う、というのは有効な馬券戦略となるはず。そこで注目したいのはアドミラルシップ(牡3、美浦・相沢郁厩舎)だ。父が12年菊花賞馬のゴールドシップなら、全兄ブラックホールは20年の菊花賞5着馬。いかにも秋の京都で大輪の花を咲かせそうな雰囲気がある。前走のゆりかもめ賞では1番人気で7着に沈んだが、父の現役時代を彷彿させるムラっ気が出たと考えれば、4着に好走した前々走のホープフルSと同舞台の今回は、人気落ちに反発しての激走を期待したい。
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