大阪府の吉村洋文知事は1日、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が適用される大阪市について、東京オリンピックの聖火リレーを中止すべきだとの考えを示した。府の聖火リレー実行委員会で近く正式決定し、大会組織委に伝える。菅義偉首相も「大阪は中止と承知している」と述べており、大阪市での聖火リレーは中止の方向となった。
大阪市内での聖火リレーは4月14日に予定され、大阪城や大阪市役所を巡るルートなど計3区間を回る。大会組織委が1日にランナーリストを発表する予定だったが、府の方針を受けて急きょ延期となった。
吉村知事は、5日から1カ月間適用されるまん延防止措置により大阪市では不要不急の外出自粛が求められるため、聖火リレー中止の基準に合致すると述べた。府の実行委によると、区間をスキップしたり、ゴール地点の行事を無観客でしたりする変更が認められる。府実行委が組織委と協議し、最終的には組織委が決定する。菅首相は1日、大阪市の聖火リレー中止について「組織委と大阪の聖火の実行委と話し合いの結果そうなったと承知している」と述べた。
大阪府ではこの日、新型コロナの感染者が新たに616人確認された。1日あたりの感染者が600人を上回るのは、2度目の緊急事態宣言中だった1月16日(629人)以来で、東京都を3日連続で上回った。これまでの府内の最多は1月8日の654人。【石川将来、鶴見泰寿、村松洋】
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