【ワシントン=横堀裕也、テヘラン=水野翔太】米中央軍は27日、米軍がアフガニスタン東部ナンガルハル州で、イスラム過激派組織「イスラム国」を標的に無人機攻撃を行ったと発表した。戦闘員1人が死亡したとみられるという。「イスラム国」は、アフガンの首都カブールで起きた26日の自爆テロで犯行声明を出しており、バイデン米大統領は米軍に報復攻撃を指示していた。
米FOXニュースによると、無人機による攻撃当時、戦闘員は車両で移動中だった。新たなテロ攻撃を準備中だったと米軍はみているという。ナンガルハル州はパキスタンとの国境にあり、「イスラム国」がアフガンで拠点を置く地域だ。
26日の自爆テロはカブールの国際空港付近で起きた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は27日、当初は100人前後と推定された死者が約170人に増え、負傷者は少なくとも200人に達したと伝えた。
多くのアフガン人のほか、米兵は13人が犠牲になった。ロイター通信によると、空港入り口で保安検査に当たるなどしていたイスラム主義勢力タリバンの戦闘員28人も死亡した。「イスラム国」とタリバンは対立関係にある。
英国のラーブ外相は27日、このテロで英国人2人が死亡し、別の英国人の親を持つ10代の子供1人が犠牲になったと明かした。
米国は、8月31日までとする米軍駐留部隊のアフガンからの撤収期限は維持する方針だが、新たなテロを懸念している。ホワイトハウスは27日の声明で、カブールでの米国人やアフガン人協力者の救出作戦について、「ここ数日間で最も危険な期間に入る」との見通しを示した。
ジェン・サキ大統領報道官は27日、「イスラム国による深刻な脅威が続いている」と指摘した上で、「米軍は撤収態勢に入り、兵士の撤収だけでなく、装備品の回収も始める。どの作戦においても大きな危険を伴う期間だ」と説明した。
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