尾瀬の玄関口・群馬県片品村で地元農家が新しいリンゴの商品化に取り組み、品種登録した。強い甘みと香りが特徴の「OZEGOLD（オゼゴールド）」だ。この秋もたわわに実り、「再来年には一般に流通させたい」としている。
標高約1千メートルの同村針山地区。約1万平方メートルの畑で代々リンゴ農園を営む永井三蔵さん（65）は、20年ほど前から新種リンゴの苗木を育ててきた。
「標高が高いため栽培は難しい面もある」
村のリンゴ農家は永井さんを含め、現在十数軒。高齢化などが理由で年々生産量は減っているが、「片品村リンゴ活性化プラン」を策定。産地振興を図ることになり、道の駅などでジュースやジャムなどの加工品の販売もしている。
「1年を通してリンゴの安定した供給が求められている」。村産のリンゴを「尾瀬りんご」と命名してPRすることになった。
その中で注目されたのが永井さんらが率先して育ててきた「OZEGOLD」だ。7月に品種登録し、村全域での本格生産に取り組むことになった。実が締まっており、糖度はかなり高く、香りも芳しいという。
青森や長野の印象が強いリンゴ。「でも群馬も『ぐんま名月』など人気ブランドの産地。OZEGOLDも魅力ある品種に育てていきたい」と永井さんは話している。（編集委員・小泉信一）
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