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Saturday, January 14, 2023

奈良:奈良の風景 広がる香り:地域ニュース - 読売新聞オンライン

 吉野ヒノキなど地域資源を生かした商品の製造・販売を手がける「松田商店」(奈良市)が、香りで奈良を表現したブレンド精油「奈良の香り」を開発し、先行予約販売をしている。約1年かけて試作を繰り返した自信作で、同社代表の竹本順子さん(58)は「奈良を思い出してもらえる香りになった」と話している。(山田珠琳)

 松田商店は1940年創業。元は猿沢池のそばにあった土産物店で、「三条通りに国内外の観光客が訪れて黒山の人だかりだった」と竹本さんは振り返る。ただ、時代の変化で観光客は減り、2010年、父・正和さんの他界を機に店を閉じたという。

 竹本さんは一般企業に勤務していたが、屋号を引き継ぎ、「奈良を以前のように元気にしたい」と18年からオンライン販売や卸売りで、オリジナル商品の製造・販売を始めた。これまでに県産薬草・大和 当帰とうき の葉を使った「YAMATO HERB COFFEE(ヤマトハーブコーヒー)」や入浴剤などを手がけてきた。

 完成した「奈良の香り」には、「香りを楽しむ精油で、奈良の風景や体験を思い出して癒やされてほしい」との思いを込めた。東大寺や興福寺などに何度も足を運んでイメージを膨らませ、「時を聞く」をテーマとして、奈良市在住の調香師に監修してもらい、110種類の天然精油から9種類を厳選して合わせた。

 吉野杉や吉野ヒノキの精油も加え、時間が経過すると、かんきつ系から樹木の香りに変化するよう調整。爽やかな香りに仕上がった。さらにパッケージには、和紙を用いて天平文様をあしらい、奈良らしさをアピールしたという。

 精油の香りは今月下旬から1か月間、奈良市内の「ホテル天平ならまち」、JR奈良駅の「奈良のうまいものプラザ」で体験できるようにするという。

 竹本さんは「香りを通じて奈良の奥ゆかしさを楽しんでほしい。精油をベースにした独自商品のラインアップを増やしていきたい」と意気込んでいる。

 「奈良の香り」は5ミリ・リットル入り、税込み1580円から。クラウドファンディングサイト「Makuake」で、2月17日まで先行予約販売を行っている。4月以降はネットショップなどでも販売する予定だ。

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