「香り」「筋肉美」… 若手社員の企画に反響 - 読売新聞オンライン

　「Ｚ世代」と呼ばれる１０～２０代の若者向けのイベントが、大丸札幌店で開かれている。今年度に入社した社員が、ＳＮＳで話題の「筋肉美」や、デジタル世界に疲れた同世代の心を癒やす「香り」をテーマに企画したもので、予想以上の反響に若者たちは手応えを感じている。

　「こちらのお香はリラックスできる優しい感じです」。大丸札幌店３階で２１日に始まった期間限定のお香コーナーで、社員の高倉 英媛（えいひ） さん（２３）が緊張した面持ちで説明していた。コーナーには香木やマッチ、ライターなど、およそ１０ブランドの商品約４０点が並び、女性を中心とした来店客が絶えなかった。

　「香り」をテーマにすることは、期間限定の催事スペースの活用法を同期の中田真美さん（２３）らと検討する中で生まれた。来店動機を想定しやすい顧客層は、自分たちと同じ「Ｚ世代」。幼少期からＳＮＳなどに慣れ親しんだ「デジタルネイティブ」だが、常に他人とつながることでストレスも感じている――。そこで、「１人でゆったり癒やされる時間を演出したい」と考えたという。

　香りの企画に先立つ１４～２０日には、催事スペースで「推しマッチョ総選挙」と題したイベントも開催。「休みの日は５時間くらいティックトックを見ている」という小川いつきさん（２４）が、最近ＳＮＳで人気が高まっている「男性の筋肉美」に注目したことがきっかけだった。１８日の目玉イベントには、目標の倍となる約１００人が来店し、腕相撲や、「お姫様抱っこ」の写真撮影を楽しんだ。

　企画立案を指導した沢田創太さん（２８）は「新人たちは芯がしっかりしていて、好きなものがはっきりしている。自分も一緒におもしろがることを心がけた」と、後輩たちの頑張りに目を細める。

　百貨店のメインの客層は４０～５０歳代だが、広報担当者も「若い世代に百貨店の利用習慣を付けてもらうよい機会になった」と話す。香りの企画は２７日まで。

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