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Sunday, May 31, 2020

cosmic!! 公式ブログ - 僕と君と幼なじみ - Powered by LINE - lineblog.me

僕「みんなには、戻りたい時ってあるだろうか。負けてしまった運動会?楽しかった文化祭?点数が悪かった期末テスト?それぞれ戻りたい時ってあると思う。
僕は今、五分前に戻りたい。そう、たった五分でいい。もし、戻れたら君のあんな顔を見ずに済んだのに・・・。
 
僕には、幼なじみがいる。小学校からずっと一緒で、家も近かったってのもあってよく遊んだ。かっこいいかはよく分からないが、やたらと女の子に人気だ。

友「なぁ!聞いてくれよ!また一年に告られちゃった!」

僕「え?!また?すげーな。お前のどこが良いんだろうな」

友「いやいや!普通にイケメンだし、スポーツ出来るし・・・」

僕「テストでクラス最下位だし、宿題忘れるし、入れる大学ないし、部屋汚いし、」

友「待て待て待て!!そんなネガティヴな事ばっかり言うなよ!」

僕「いや、事実だし。」

友「ま、まぁな・・・。でも、みんなそんなところ見てないんだよな〜!なんて言うの?この、湧き上がってくるオーラ?そう言うのに惹かれるんだろうな〜」

僕「なるほどね!確かに引かれてるよ!高校三年にもなって進路が決まってないお前をクラスのみんなが!」

友「グサっ!!そ、そうだったのか。あぁ〜あ、この宿題する気無くしてしまいました〜。代わりにやっといて」

僕「なんでだよ! すると一階から

母「今日ウチでご飯たべてく?」

友「え?!良いんですか?僕、何か手伝いますよ!!」

僕「と、言いながら部屋を出て行く。おい!!と発した声は届かず、部屋には僕と宿題だけが残った。まったく調子の良い奴だ。しかし、そう言うところがモテる要因なんだろうな。
僕とは違う。
そう思いながら外の桜の樹を僕は眺めた。花は、ほとんど散り青々とした葉が生い茂っていった。
 
ある日の事だった。いつもの様に退屈な学校が終わり、帰宅しようとしたその時。僕の名前が教室に響き渡った。声のする方を見ると、思った以上にボリュームが出たのか、顔を赤らめた綺麗な黒髪の女の子が僕に、申し訳なさそうに手招きしてる。みんなの注目がこれ以上集まるのは嫌だったので小走りで教室を出た。

君「ごめんなさい!私、声デカくて」

僕「あぁ、気にしないで。歩きながら話そう」

それが、君との出会いだった。
 
僕たちが通ってる学校は進学校で生徒の数が多く、入学してから今に至るまで、話したことない同級生はおろか高校3年にもなって、初めて見る同級生がいるのが普通だった。


僕「えっと・・・はじめまして・・・だよね?」

君「は、はい!」

と、また大きな声で話始めた。君の声は、本当に通る声で可愛らくそして、温かい声だった。
話を聞くと、高校3年で転校してきて、担任から家が近いのが僕だったから、尋ねて来たそうだ。確かに母さんが、

母「近くに引っ越してきたよ!」

なんて話してた気がする。
前の学校の話、部活の話。今やってるドラマの話。帰り道に出来るだけの話をした。
こんなに楽しい帰り道は初めてだった。
次の日から一緒に登校する約束をし、僕の家の前でバイバイをした。手を振った後も、君を目で追っている僕がいる。角を曲まり、君が見えなくなってから、家に入る。
なんだこの気持ち・・・。ドキドキして、ニヤケが止まらない。明日が楽しみになってる。
こんなのあり得ない。あんな退屈だった学校生活が・・・。
 
次の日。家の前で君を待っていると


友「何ニヤついてんだよ!気持ち悪い」

と、向かいの道路から声が飛んで来た。僕は、ハッとし

僕「べ、別にニヤついてないよ!それよりなにしての。朝練は?」

友「テスト期間だからねぇーの!あれ?行かないの?」

僕「あぁ、ちょっと待ってる。と、言いかけたその時。おはよう!と君の温かい声が聞こえた。」

友「え?だれ?知り合い?」

僕「ほら!近くに引っ越してきた」

友「あぁ!言ってたね!」

僕「ほら、はやくいけよ」

友「何でだよ!一緒に行こうぜ!初めまして〜」

僕「何故だろう。僕は、まずいと思った。君を取られてしまう・・・。なんだこの気持ち。何気なく話をしている幼なじみに怒りすら感じている。
楽しみにしていた明日は、想像してたものではなかった。
授業が始まってもなお、君のことが頭から離れない。まさか、これは・・・。

学校のチャイムが鳴る
昼休みになると君は僕のクラスに入ってきて、椅子をクルッと回し僕の机に弁当を広げ、そそくさと食事の準備を始めた。

僕「狭いよ・・・。」

と言うと

君「良いじゃんこっちの方が、仲良しなんだし!」

僕「昨日初めましてした人から出てくる言葉とは到底思えないが、君のペースに巻き込まれるのは、なんだか心地良かった。
 
それからは、毎日が楽しかった。
学校が終わると一緒に繁華街に遊びに行った。

ゲーセンに行ったり、カラオケに行ったり、カフェでテスト勉強をしたり。
一緒に遊んでいる時は、僕のことを好きなんじゃないかなって勘違いするくらい楽しかった。
君は僕に、好きだよ!と言ってくれる。だけど、付き合っては無い。それでいい、この距離感がちょうどいい。
友達以上恋人未満・・・・
 
夏休みに入ると、親同士の許可も降りたと言うことで僕の家に泊まる事になった。
夜。夏休みの宿題もそこそこに、アイス食べながら桜の樹を眺めていた君が、僕に尋ねた

君「ねぇ、家近いんだっけ?」

僕は誰のことを言ってるのかすぐに分かったが、とぼけたふりをした。

僕「え?誰のこと」

君「・・・幼なじみ君」

そう、君は僕の幼馴染みの事が好きだった。
でも、その事を君は僕に言わなかったし、僕も聞かなかった。
 
夏休みも終わりに近づいて来た頃、君の提案で僕の誕生日会を僕の家でをすることになった。

僕と君と僕の家族、そして部活を引退しいた幼馴染みと。
誕生日会はとても楽しくて、両親も僕に新しい友達が出来た事が嬉しいらしく笑顔が溢れてた。
だけど、君は・・・君の視線は僕ではなく僕の幼馴染みに注がれていた。
僕は、落胆する。
誕生日会も終わり、日もだいぶ暮れていたので2人で君の家まで送る事にした。

母「あんたも気をつけるのよ」

と母の言葉に対して

友「俺がついてるから大丈夫っすよ!」

僕「それを聞いてる君はなんだか少し悲しい顔をしてた。

君「ちょっと遠回りしない?」

君の提案に2人は頷いた。夏の夜の匂い、鈴虫の鳴き声、風になびくしぼんだアサガオ。途中、公園を見つた。僕は、コンビニで飲み物を3つ買い戻ると
君が1人で泣いてた。
僕は動揺を隠しきれずキンキンに冷えたサイダーがアスファルトにこぼれ落ちた。
どういう状況かを聞くと、
君は幼なじみに気持ちを伝えたと言った。
僕は君をさすり、なだめた。が、その事実を受けいれきれず手が震えた。
 
僕は君を残して走った。家に帰る幼なじみを見つけ説得する僕。自分の気持ちを抑え、隠しながら・・・
なにやってんだろう。

僕は、君の気持ちを幼なじみ伝えて、2人が結ばれる事に奮闘した。

幼馴染み「少し時間が欲しい」

と言って幼馴染みは帰って行った。
君のもとに戻ると、少し凹んだサイダーを僕に渡し

君「ごめんね・・なんか全然関係ないのに」

僕「いいよ。全く関係ないって訳じゃないし」

君「いや、全然関係ないよ・・・全然」

君にとて僕は全然関係ない存在なの?その問いが僕の中でぐるぐる回る。

僕は、君をずっと好きなのに。

でも、僕が君のことを好きだと言う事は誰にも伝えていない。
君の家の前に着いた。

君「今日はありがとね・・なんか色々・・・」

僕「いや、こちらこそ・・誕生日会、ありがとう。」

君は僕の言葉を聞くと、手を振り家に帰ろうとした。その時

僕「待って。」

不意に喉から出た言葉に驚く。

君「なに?」

耐えられなくなった僕の本当の気持ちを、君に伝えた。
君はひどく困惑して、

君「私も好きだよ。でも、それは友達としてじゃなくてって事?」

僕は頷いた。

君「その、つまり・・・そう言うこと?」

僕「うん」

君は、視線を逸らしこう言った。

君「ごめん、それは無いかな・・」

そして君は、逃げるように家に帰って行った。

こうなる事はわかっていた・・・
だけど、どうして?

友達のままだったらよかったのかな?2人で遊んで、お泊りもして、時間を忘れて君とお喋りして・・・。
夜、一番最後に君におやすみと言いたい。
朝、目が覚めて一番最初に君におはようと言いたい。

ただ、それだけだったのに・・・
 

 
僕「僕が男だったら、よかったのかな?」
 
おしまい。

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May 31, 2020 at 02:28PM
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