「しばらくは 離れて暮らす コとロとナ つぎ逢ふ時は 君といふ字に」―。大阪府茨木市のイラストレーター田中貞之さん(57)が今春、フェイスブックに投稿した短歌とイラストが話題を呼んだ。いま再び新型コロナウイルスの感染が拡大し、旅行やお盆の帰省を控えた人もいる。田中さんは「直接触れ合えないもどかしさがある中で、心に寄り添うことができれば」と作品づくりを続ける。(横井武昭)
◆百貨店宣伝の傍らイラストレーターとして活動
田中さんは京都精華大でイラストを学び、大阪府内の百貨店に勤めて宣伝や広報を担当する傍ら、タナカサダユキの名で似顔絵やイラストを描いている。
すると、会員制交流サイト(SNS)で全国に広がった。「癒やされる」「シェアしたい」と反響が相次いだ。休校中の学級通信に使いたいという問い合わせや、演奏ができない楽団のメンバーを励ましたいとの声も。大切な人に会えない寂しさと将来への希望を込めた作品が人々の心に届いた。「気持ちが楽になったと言われてうれしかった」
その後も新型コロナ関連の発信を続ける。「アベノマスク」が話題になると、マスクが「マスト」(必要なもの)であることと、船のマスト(帆柱)を掛け、手作りのマスクを帆に見立てるイラストを描いた。夜の街の営業自粛にちなみ、赤ちょうちんに記された「居酒屋」の「居」から「コ」「ロ」「ナ」の文字を抜き取った作品もある。
この夏、全国で再び感染が広がった。東京の知人から「お墓参りに帰ってこないでと身内に言われた」と聞いた。自身も7月下旬以降、新型コロナ感染防止のため、骨折で入院中の母親(83)に面会できていない。
今月6日、新たな短歌を投稿した。「再会の 喜び交はす コとロとナ ビニール越しは 味気なけれど」。「喜」の字の中にある「コ」「ロ」「ナ」が横の棒線で仕切られる。マスクやビニール越しでしかコミュニケーションを図れないもどかしさを表した。
「春先のころよりさらに先が見通せず不安がある。どうやって人と付き合い、生活や仕事をしていくのか課題が突きつけられている」と田中さん。それでも、こんな時代だからこそ、誓う。「人の心に寄り添って、共感できるイラストや文をつくりたい」。いつか本当に「喜び」を分かち合える日が来ることを願って。
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