楽天入りが決まった田中将大投手が30日の午後4時30分から入団会見を行う。
ソフトバンクの王貞治球団会長は30日午前、福岡市内で行われた必勝祈願のあとにマー君復帰について「強敵ですよ」と警戒感を強めた。しかし、その表情は晴れやかだった。
「難敵が目の前に現れた。でも、もう我々はその中で戦うことは決まったわけですから。なんとか乗り越えるために技術上げていくのはもちろんですし『打倒田中』にどう取り組んでいくか。新たな課題が出た。やる気が出ますよ!」
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「新たな課題。やる気が出る」
田中がプロ入りした2007年は、まだ王監督の時代だった。奇しくも田中のデビュー戦は同年3月29日、福岡のヤフードーム(現・PayPayドーム)で行われたソフトバンク戦だった。
高卒ながら開幕ローテ入りゴールデンルーキーに対して好打者をズラリ並べたソフトバンク打線が襲い掛かった。初回、ヒットで出塁した2番・川崎宗則を塁において4番・松中信彦が右翼線へタイムリー二塁打を放ってまず1点を奪った。
二回表に楽天が3点を奪い逆転したが、そして二回裏にソフトバンクはさらなる猛攻を見せた。7番・ブキャナンと9番・本多雄一のヒットと1番・大村直之のフォアボールで満塁とすると川崎が同点右前打を放ち、さらに3番・多村仁の2点二塁打で得点を重ねた。
王監督時代に、プロデビュー戦だった田中と対戦
打者12人で6安打。後続の投手が走者を還したために田中には、1回2/3、57球、6失点という記録が残った。
ベンチに戻って悔し涙を浮かべたという田中。ただ、「神の子・マー君」はこの時から見えざる力を持っていたのか、その後味方打線が奮起したために田中に黒星はつかなかった。
初対戦では「プロの洗礼」を浴びせたソフトバンク。しかし、同年4月18日の試合では9回2失点の好投を許してプロ初勝利、プロ初完投を許した。
その後は田中がソフトバンクを圧倒した。田中側から見たソフトバンク戦の通算成績は31試合16勝3敗1セーブ、防御率1.85を残している。
また、工藤公康監督も田中復帰について問われると「聞いておりますよ」と苦笑い。ただ、工藤監督は現時点では静観する構えだ。「キャンプは土台づくり。しっかり足元を見て、相手のことを考えるよりも自分たちがレベルアップすることを考えるのが大事。田中投手についてもシーズンが始まる前になってから、しっかり考えたい」とリーグ2連覇と5年連続日本一に向けた不動心を示した。
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