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Wednesday, February 3, 2021

「韓流の街」にイスラムの香り 多国籍化する新大久保 - 朝日新聞デジタル

フリーライター 室橋裕和さん

 夕食時に帰宅すると、向かいのお宅から、辛み調味料のサンバルソースの香りがしてきました。インドネシアの人たちでしょう。

 10年暮らしたタイから帰国、東京・新大久保に住んで3年になります。この街は、コリアンタウンという印象がまだまだ強いかもしれませんが、今、急速に多国籍化が進んでいます。

 きっかけは10年前の東日本大震災だったようです。原発の放射能汚染を心配した韓国や中国の人たちが、逃げるように帰国しました。その後、日韓関係が悪化、ヘイトスピーチもあり、客足が遠のき、韓国系のお店が減りました。そこを埋めるように、ベトナムやネパールの人たちが、カフェや食堂を開き、街のにおいが変わりました。香辛料や、ベトナム料理のベースとなる魚醬(ぎょしょう)のにおいが漂います。

 バングラデシュやパキスタン、中東の人たちも集まってきます。新大久保駅からすぐの「イスラム横丁」では、ターメリックやナツメグなど、香辛料の香りがします。

 臭いをめぐって、もめ事が起きることもあります。日本人のお年寄りと外国の人たちが、隣同士で住んでいるからです。

 もともとバックパッカーだった…

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