中日戦で3連打を浴び逆転を許して敗戦投手
マー君が打たれた。 「長いイニングを意識していた」とのテーマを持っていた田中は、70から80%ほどの出力だったか。変化球主体。力感はなく150キロを超えてくるストレートもなかった。0-1のスコアで迎えた6回に二死から実戦初戦となった4番のビシエドの高めに浮いた初球のストレート系のボールを左中間に持っていかれた。代走の岡林勇希に盗塁を許すと高橋周平にはスプリットに対応された。センタ―前に運ばれて同点。さらに代走の三好大倫にも二盗を仕掛けられた。最初の判定はアウト。だが、与田監督のリクエストにより判定が覆り、平田良介にもやや外よりのストレートをライト線に弾き返されて3連打で逆転を許した。 本人は登板後に「問題はない」と口にしたが、巨人OBで西武、ヤクルトで監督を務めた広岡氏は疑問を呈した。 「ここまで田中の投球を見てきたが、ストレートに力がない。この時期にしては変化球ばかりの小手先のピッチングだ。さすがに技術はあるので試合は作るが、24勝無敗の成績を残した8年前のように投げるたびに負けなしとはいかないだろう。メジャーでも昨年はポストシーズンで打たれて通用しなかった。ヤンキースが田中を本気で引き止めなかったのはそういうことだ」 球界大御所の見方は厳しいものだが、本人も周囲も調整に手ごたえはある。 マー君の古巣復帰で楽天の沖縄・金武キャンプは活気にあふれていたという。メディアが集結。ブルペンで田中のボールを受けるキャッチャー陣は「フレーミング」技術の重要性などを説かれてドラフト1位のルーキー、早川隆久らの若手だけでなく、則本昂大、松井裕樹ら、今季にかける投手らも田中に教えを請い、その姿に刺激を受けている。マー君効果である。 重なるのは6年前にメジャーから広島カープに復帰して同じくチームに革命を起こした黒田氏の姿だ。
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