特大のロールケーキ作り、ヘリコプターのチャーター、ほっともっとフィールド神戸での鬼ごっこ……。
活動を紹介したSNSには、わくわくするような文字が並ぶ。学校になじめない子どもたちの居場所になればと、仲間らと考え、取り組んできたボランティアイベントの数々という。
企画時のポイントは「SNS映え」すること。同世代の学生らの関心を引き、取り組みを広く発信するためだ。狙いは的中し、今では「自分も参加してみたい」と延べ100人を超える学生がイベントに協力する。
「ボランティアはかっこいいし、面白いと、たくさんの人に知ってほしい」
元々、ボランティアに興味があった。生徒会長を務めた高校生の頃、清掃活動などを通し、地域住民らが喜ぶ姿を見て「自分も相手も笑顔になれる」と妙味を知った。
神戸市内で不動産会社を営む父輝久さん(53)の影響もあって起業家を目指す中、「好きなことなら一生の仕事にできるはず」と甲南大1年の夏、友人とボランティア団体「PALAFOOL(パラフル)」を設立した。
年の近い世代に目を向け、学校で孤立する子どもらの居場所作りにつながるイベントを考え始めた。級友の輪に入れず、次第に不登校になる同級生を見てきた経験からだ。しかし、当初は「学生の遊びに付き合ってられない」と大人たちは冷たく、参加者を集めることはおろか、開催場所も確保できなかった。
「『自分たちは本気や』と行動で示さなあかん」
そう考えて地元商店街で始めたのは、やはり、毎朝の清掃活動。少しずつ信頼関係を深め、次第に子どもの見守りなどを任せてもらえるように。今では定休日の居酒屋で、譲ってもらった食材で「子ども食堂」を開くまでになっている。
昨夏には、活動をさらに広げようと、団体をNPO法人化した。一方で運営を維持していくため、クラウドファンディングで寄付も呼びかける行動も起こした。「困っている子どもたちを社会全体で支えていく、そんな仕組みを作りたい」と話す。
(大背戸将)
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