岡田准一(40)がV6の解散から一夜明けた2日、都内で行われた主演映画「燃えよ剣」(原田眞人監督)公開御礼舞台あいさつに、中居正広(49)からメンバー全員が贈られた「V6」の名が刻まれた革靴を履いて登壇した。その壇上で、今の日本映画界で「燃えよ剣」のような本格時代劇を作ることが難しい現状と、それでも作り続ける必要性を訴えるなどV6から一本立ちした映画俳優として新たな1歩を踏み出した。

登壇した岡田の顔は、険しいと言っても過言ではないほど引き締まっていた。そのまま「自分から言いますけど昨日、V6という長い間やってきた活動が終わる中、公開される、とても大事な作品」と語り出した。コロナ禍で昨年5月から公開が1年半延期されての巡り合わせだが、いつか演じると思った唯一の人物、土方歳三を演じた作品への深い思いを口にした。

V6ラストライブ後は、さすがに眠れずに嵐・松本潤(38)から贈られた、V6のデビュー年と同じ95年もののワインを「1人で飲みながら寝ない夜を過ごした」という。「変わらない日常を送ろう」と、そのまま朝、トレーニングに行ったといい「眠いっす…ウソです、眠くないっす」と言い、ようやく笑った。

V6から独り立ちしたこの日、数日前に中居から贈られた、左足の内側に「V6」、外側に「OKADA」の文字が刻まれた茶色の革靴を履いて登壇。「中居君がくれたのを履きながら、ここに立っております」と客席に靴を見せた。少年期、乱暴だった土方らが“バラガキ”と呼ばれたようなエピソードがあるかと問われると「僕は昨日までバラガキ5人と一緒に過ごしてましたけどね」と変わらぬ“V6愛”を、にじませた。

映画俳優として日本映画界の未来に向けた提言もした。1日までに60万人を動員しているが「本格時代劇で、この規模の作品はなかなか作られない。今後も出来るかというと日本の土壌からすると、なかなか難しいのが現状。ぜひ見て、また見られるように育てていただけたら」と訴えた。

15年の第38回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞と最優秀助演男優賞の2冠に輝いた際、ジャニーズ事務所所属の現役俳優初の同賞受賞に男泣きした。「そうそうたる顔ぶれの1つに、自分が入る。託されたり思いをつなげることが最近、僕の中で大きく起こっている」と日本映画の系譜を継ぐ覚悟を示してから6年。新たな節目を経て映画俳優・岡田が歩き出した。【村上幸将】