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Wednesday, February 12, 2020

無責任な飼い主に飼育放棄されたブルドッグのやまと君 今はトリミングサロンの看板犬として幸せに|まいどなニュース - 神戸新聞社

 大阪市東住吉区の住宅地にある犬のトリミングサロン『隠れ家やまちゃん』は普通の一軒家に見えますが、脇の通路を入って行くと別の扉があり、そこがサロンの入り口。オーナーの生賀裕子さんいわく「昭和長屋をリメイクした」そうで、“隠れ家”という表現がピッタリのお店です。

 ただ、実は店舗の構造と名前は無関係。看板犬を務めるブルドッグのやまと君(8歳)が、生賀さんの家の向かいにあった開業前の長屋を“隠れ家”のようにしていたことから付けられた名前です。もちろん“やまちゃん”はやまと君の名前から取りました。

「お店をするつもりはなかったんです。みんなでDIYをするのが楽しくて、週末毎にやっていたんですけど、やまとが来てから構想がどんどん膨らんで。気が付いたら、サロンとペット同伴で使っていただけるレンタルスペースを始めることになっていました」(生賀さん)

 

 もともとトリマーとして働いていた生賀さんの“人生を変えた”やまと君との出会いは、ちょっと複雑なものでした。

 最初にやまと君のことを聞いたのは、中学の同級生Aさんから。飼い主に「ブルドッグをもらってほしい」と頼まれたAさんが引き取るも、1~2週間後に「子どもがさみしがっているから返してほしい」と言われ返却。1カ月後にまた「もらってほしい」と連絡があったため、Aさんは再度引き取って、今度は知り合いの男性に託しました。すると、また元の飼い主が…。

「そんな無責任な人には返せないと、今度は断ったらしいんです。男性は会社の寮でやまとを飼って、仕事先にも連れて行くほどかわいがってくれていました。でも、2年半くらいたったとき、寮を立ち退かなければならなくなって、犬関係の仕事をしていた私に、誰かもらってくれないかと相談が来たんです」(生賀さん)

 Aさんから久々に連絡があったのは、生賀さんが愛犬を亡くしてちょうど1年の命日に当たる日でした。もしかすると、そのときから運命の歯車は回り始めていたのかもしれません。ただ、生賀家にはすでに犬が3匹いて、しかもブルドッグは飼うのが難しいと聞いていたので、生賀さんは飼育経験がある人に頼めればと思っていました。

 

 すると、家に30坪の庭があり、ブルドッグを飼っているというご夫婦が手を挙げてくれました。生賀さんとAさんは大喜び!でも、迎えに来てくれた夫妻の様子を見て、不安を覚えたと言います。

「やまとが少し臭かったみたいなんですけど、奥さんは触りもせず『連れて来てくれるんですよね?』と。ご主人はニコリともしないし、やまとを飼うことに反対しているのかなと、少し気になりました」(生賀さん)

 数日後、Aさん夫妻と一緒にやまと君を連れて行くと、確かに大きな家と広い庭がありましたが、ボロボロの木の小屋の中に、覇気のない表情で座っているブルドッグが見えました。

「こんなところにやまとを置いて行って大丈夫?と不安がよぎりましたが、男性の寮の立ち退きまで日にちがなく、私もAさん夫婦も後ろ髪を引かれる思いで帰って来たんです」(生賀さん)

 

 残念ながら、3人の悪い予感は的中しました。後日、生賀さんが男性から預かったフードを届けに行くと、やまと君は30センチほどしかない軒下につながれていました。雨に濡れながら…。

「前の日の夜から大雨が降っていて、その日もまだ降っていました。庭で放し飼いにする約束だったのに、小屋も飲み水らしきものも見当たらなくて。すぐに奥さんに電話したんですけど、夕方、仕事から帰ったら家に入れますと言うばっかりで…」(生賀さん)

 生賀さんはAさんと一緒にやまと君を“保護”し、自宅に連れて帰りました。ただ、この時点ではまだ「生賀やまと」にはなっていません。新しい里親さんを探すつもりでお世話していました。

 

 最初の頃、やまと君は等間隔でずっと吠えていたそうです。それでいて、生賀さんには従順。そんなとき、友人に言われました。「等間隔に鳴くのは心の病気。保護犬によく見られるのは、最初はすごく従順で、そのあと甘えん坊になって、怒りっぽくなって、ようやく本当の意味で“うちの子”になるのよ」と。

 やまと君はその通りに変化していきました。生賀さんの姿が見えないと鳴くほど甘えん坊になり、その後、リードを持つと唸って飛び掛かるように。「怒っても自分を見捨てないか、私を試してる?」──生賀さんはそう考えて、唸られたときこそ抱き締めたり、ベッドに一緒に入ったりして愛情を注ぎました。「信頼関係が築けたかな」と感じられるようになったのは、3年くらいたってから。その間に、いつしか「生賀やまと」になっていたのです。

「正直、短頭種は好きではなかったんですけど、やまとのおかげで好きになりました。お店にはいろんな犬が来ますが、どんな犬でも大丈夫だし、噛まれても怒らない。立派に看板犬をしてくれています。“うちの子”になってくれて幸せです」(生賀さん)

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February 13, 2020 at 11:20AM
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