ハンバーガーの香りがするろうそく、シュプリームとコラボしたオレオクッキー、クリスタルペプシで作った婚約指輪──。Twitter時代にCMの騒音を突破しようとするのであれば、どんなブランド拡張の手立ても奇妙すぎることはない。ミレニアル世代のせいにするといい。
今夜は家でロマンチックな夕食だ。ろうそくを何本か灯すことにしよう。そう、ムードを出すためだ。最適な幸福感を醸し出すために部屋中に戦略的に並べた。暖炉の上、棚、窓台、そしてテーブルだ。
さて、今度はいざ、ろうそくに火を付ける番だ。だが、どれから灯すべきか。ゴマ付きのバンズか、ケチャップか、玉ねぎ、牛肉、ピクルス、それともチーズだろうか──。
これらは米マクドナルドが新たに立ち上げた「クォーターパウンダー・ファン・クラブ」の一環として用意された6本入りろうそくセットの香りで、マクドナルドを代表するハンバーガーの材料に合わせて香りが付けられている。もちろん、ろうそくを全部一緒に灯したときにどんな香りになるか想像する必要があれば、どこかのマクドナルドの店舗から3キロメートル圏内を歩いてみれば、それだけで分かる。
マクドナルドが発表した新しいファンクラブのグッズは、広告代理店ワイデン+ケネディ(W+K)ニューヨークが制作を手掛けた。公式オンラインショップ「ゴールデン・アーチーズ・アンリミテッド」で買えるグッズには、ろうそくの他、カップル向けのペアのミット手袋、カレンダー、クォーターパウンダーの写真が飾られたロケット、ファンクラブのTシャツとピン、それに「できたらクォーターパウンダーを食べていたい」と書かれたバンパーステッカーがある。もし自分もマクドナルドが少々好きすぎるなら、クラクションを鳴らしてやるといい!
マクドナルドはなぜ、こんなことをするのか。この問いに対する答えは複雑ではない。同社は2019年12月に初めて本格的なECサイトを開設して以来、ずっと売ってきた商品をすべて販売しているだけだ。
それだけではない。同社は20年2月26日までに最も熱烈にクォーターパウンダーへの愛をうたった都市に、巨大なブロンズ像を贈る企画も立てていた。何世代もの住民や観光客にとって真の名誉だろう。クォーターパウンダー像が「スケアリールーシー」よりは「ジューシールーシー」と呼ばれるおいしいハンバーガーに近いことを祈ろう(編集部注:人気ドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」の主役を演じた女優ルシル・ボールの銅像は怖い顔が話題になり、「スケアリールーシー」と呼ばれた)。
奇妙なグッズでにぎわった1週間
ハンバーガーの材料の香りを用いたろうそくセットが奇妙だと思う人は、20年2月半ば頃から1週間ほどは、頭がどうかしたかと思っただろう。
まず、ケンタッキーフライドチキン(KFC)がクロックスと組み、限定版チキン・バケツ・サンダルを発表した(もちろん、鶏の足の形をした、フライドチキンの匂いがする「ジビッツ」だ)。その翌日、バレンタインデーの直前に、ペプシコが「クリスタル・ペプシ・エンゲージメント・リング」を発表した。嘘じゃない。透明なクリスタル・ペプシが最も基本的な炭素状になるまで煮詰められ、パウダー状に粉砕されたうえで、1.53カラットの人工ダイヤモンドを作る過程に交ぜ込まれた。
幸い、婚約指輪はコンテストの賞品で、本物のお金で買うために販売されたものではない。コンテストは20年3月6日まで続き、16日の週に勝者が発表される。これは紛れもなく本物だと思わざるを得ない3月20日の「全米プロポーズの日」に間に合うように企画されたものだ。
もうダイヤモンドなど忘れていい。マーケティングこそ永遠だ。
また、20年2月18日には米ナビスコが手掛けるオレオが、ルイ・ヴィトンやコム・デ・ギャルソン、ナイキ、チャンピオンなどの並みいるブランドに加わり、人気ストリートウエアのシュプリームとコラボレーションする、輝かしい(過密とも言える)クラブの仲間入りをすることを明らかにした。シュプリームオレオの値段は、3個で8ドル(約880円)。通常のオレオは39個入りのパックが3.5ドル前後(400円弱)で販売されていることを考えると、かなり高い。米イーベイのオークションでは既に、1万ドル(約110万円)を超える入札もある。流行ものに飛びつくとは、まさにこのことだ。
我が家のソファより値段が高いオレオほど、ばかげたブランドウエアへの需要が本物であることを物語るものはない。
であれば当然、企業は喜々として、ドアから駆け出して需要に応えようとする。
CMの騒音を突破するマーチャンダイズ
消費者が日々目にする何万もの広告メッセージやCMのことを考えれば、各社がこれだけの“騒音”を突破して、消費者にメッセージを伝える難しさは明白だろう。うまく練り上げられ、完璧に遂行されるCMや広告を制作し、人気テレビ番組の放送中に流すためにお金を払うだけでは、もはや十分ではない。これなら誰でもできる。確かに、全米で注目されるスーパーボウルやアカデミー賞授賞式があり、年間行事には他にも米国人が集団として消費する文化的イベントがいくつか残っているが、こうした機会は極めて稀(まれ)になってきた。
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