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Friday, July 24, 2020

洋ナシの香り、濃厚な味わい ビールもそろえた昆虫食|グルメクラブ|NIKKEI - 日本経済新聞

東京・日本橋馬喰町の路地にたたずむ小さなビルに6月、昆虫を食材として用いるレストラン「ANTCICADA(アントシカダ)」がオープンした。昆虫は近年、海外のミシュラン星つき店のシェフも、その味わいにひかれ料理に用いる“新しい”食材として注目されている。

コの字型の広いカウンター席のある「ANTCICADA」内観。店名はアリ(ANT)とセミ(CICADA)から。イソップ物語の「アリとキリギリス」は本来、「アリとセミ」という話だったとか。写真提供:ANTCICADA

同店が使うのは、えりすぐりの昆虫だ。雑食であるためエサや育つ環境で味が変わるという濃厚なうまみを持つコオロギや、シェフらが自ら三重県まで赴き採集した杏仁のような香りを放つ外来生物の幼虫、まゆから取り出して生きたまま冷凍し、臭みのないフレッシュな状態で届くカイコのサナギ――。驚きの食材の数々は、金曜、土曜限定のコース料理や、日曜日に終日提供されるコオロギラーメンとなり客を楽しませる。

同店を運営するのは、レストランと同名のANTCICADAという5人のチームだ。大手銀行を2カ月で辞め料理の道に飛び込んだ関根賢人さん、東京農業大学大学院を修了した醸造と発酵の専門家・山口歩夢さん、やはり東京農業大学で学び漁業、農業、林業の現場を体験してきた豊永裕美さん、ミシュラン2つ星店「レフェルヴェソンス」で6年勤務後、デンマークのミシュラン星つき店「レレ」「コックス」などで修業したシェフの白鳥翔太さん。そして、こうした個性的な面々を昆虫食の世界に引き込んだチーム代表の篠原祐太さんが、唯一無二の食の空間を作り上げる。みな20代の若者だ。

10日ほど熟成させた、とろけるように軟らかい鹿肉。上に載るのは、なんとイナゴからつくったタレだ。日本で唯一の野生のコショウ科の植物フウトウカズラ(左下)やモクレンの花のピクルス(右下)と一緒にいただく

篠原さんは幼い頃から、身近な生物として虫に親しんできた。大好きな虫だから、ごく自然に「どんな味がするのか」と思うようになったのだろう。4歳頃から好んで虫を食べるようになったという。しかし、東京育ちの彼の周囲に昆虫食への理解はなかった。だから、カミングアウトしたのは、大学に入ってから。その頃、国際連合食糧農業機関(FAO)が近い将来予想される食料危機のために、タンパク質が豊富で栄養価が高く、飼育の環境負荷が少ない昆虫を重要な食材と位置付ける報告書を発表したからだ。「最初はやはり気持ち悪いという人が多かったけれど、一部の人が興味を持ってくれ虫を使った料理を食べてもらっていた。それが今の活動の原点です」と篠原さんは振り返る。

素材本来の味を生かすために、少しあぶったり、ゆでたりと当時の調理法はシンプル。ただし、虫ごとに調理の仕方は少しずつ変えていたそうだ。「例えば、水分が多い幼虫は揚げると油の味に完全に飲まれて風味が消えてしまう。だからゆでて、素材本来の味を封じ込めるんです。ごまかしが効かないので繊細な風味をまるごと味わえる」。昆虫にそんなに奥深い味わいの世界があったのかと、目を見開かされる。

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