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Sunday, December 6, 2020

専門家お薦め洋酒ケーキ10選 香り高く、大人の味わい|グルメクラブ|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞

洋酒をふんだんに使ったケーキは香り高い。箱を開けた瞬間から、華やいだ気分になる。聖夜におすすめのケーキを専門家が選んだ。

■1位 マロンドール(広島県福山市) 610ポイント
苦み・刺激 食べた後もしっかり

「ヘネシーブランデーケーキ〈V・S・O・P〉」 戦後に地元の商店街で開業した洋菓子店。現在はバラをかたどった焼き菓子やレモンケーキなど、地元の名産品をテーマとしたお菓子を親子2代で作っている。

地酒「保命酒(ほうめいしゅ)」を使ったケーキを開発した際、洋酒にも転用できると、2010年ごろに今のブランデーケーキのレシピを考案した。主に自分へのご褒美用として、正月や出世した際などに購入されるケースが多いという。

素材本来の味わいを生かすことを主眼に置き、注文を受けてから一つ一つ手作りしている。

ブランデーが練り込まれた生地の、味の秘訣は混ぜ加減。長年、培ってきた職人の勘を頼りに、日々の気候や湿度に合わせて「その都度、調整しながら混ぜ合わせる」(初代の徳永誠一さん)。

コニャック「ヘネシーV.S.O.P」を、焼き上がった後に表面へ丹念に塗り込む。そのため「お酒の存在感はあるが、辛みだけでなく奥ゆかしいフルーティーな味わい」(松本学さん)に仕上がっている。

「口に含むと、洋酒の香りが押し寄せる」(下井美奈子さん)、「ブランデーの苦みと刺激が食べた後までしっかり残ってとてもいい」(友田晶子さん)と、最初から最後までお酒を楽しめる一品だ。お酒、スイーツいずれの専門家からも支持された。

(1)3564円(2)https://marrondor.net/(3)製造日から5日以上寝かせて

■2位 ロイヤル(山口県宇部市) 600ポイント
お玉でムラなくしっとり

「ブランデーケーキエクセレントXO」 1973年創業の洋菓子店。創業者が修業時代から得意とするメニューを変わらぬ製法で作り続ける。「香り高くしっかりと洋酒を感じられる一品」(松尾民子さん)。生地の目をあえて粗くし、お酒の染み込みをよくしている。「生地がほどけてブランデーがじゅわっと広がる」(永井里果さん)

焼き上がり後に底の浅いお玉で、コニャック「ヘネシーX.O」入りのシロップを職人がムラなくかける。「かかり具合も分量もベスト」(薬師寺隆専務)という。「全体に染み込んでいるのが、見た目にもはっきりわかる」(平岩理緒さん)のは、1週間おきに上下を変え、出荷まで寝かせるため。「上質なコニャックのお供としたい」(高野勝矢さん)

(1)4104円(2)http://so-royal.com/(3)賞味期限直前

■3位 リョウラ(東京都世田谷区) 550ポイント
バニラの香りと酒の辛み

「ブランデーケーキ」 3年間フランス各地で修業した経験のある菅又亮輔オーナーシェフが、2015年に開業した店。焼き上がったケーキをブランデーの「アルマニャック」にぜいたくに浸して作る。

1年を通して同じ味わいと香りを楽しんでもらえるよう、湿度と温度によって工程を調整するという。「どこを切ってもお酒の風味が漂い、作り手の愛情を感じる」(里井真由美さん)

「お酒本来の味わいと相性がいい」(菅又シェフ)というバニラビーンズを使い、酒の辛みを受け止める。「心地よいお酒の香りが口中に広がる」(谷宣英さん)。小麦粉は粒子の細かいものを使い「まるでテリーヌ」(沼田美樹さん)と評されるなめらかな食感に仕上げた。

(1)2530円(2)https://www.ryoura-online.com/(3)購入したらすぐ

■4位 オークラ東京(東京都港区) 520ポイント
5年寝かせたシャンパンの風味

「シャンパンケーキ」 1962年の創業時からホテルで提供するシャンパン「ポメリー」を使う。未開栓のマグナムボトルを5年ほどセラーに寝かせて熟成することで、ナッツやカラメルの風味も引き出した。「ブドウの甘い香りが立ち、食べる前からわくわく」(隈部美千代さん)

生地にシャンパンを練りこみ、特別なオーブンで香りが飛ばないよう低温で保湿しながら焼く。「生地がほろほろと口の中で溶けて芳醇(ほうじゅん)な香りが広がる」(平岩さん)。5日ほど真空パックの中で味をなじませてから出荷する。「チーズの風味も感じられる。お酒と合わせるもよし」(沼田さん)

(1)5400円(2)https://theokuratokyo.jp/dining/list/chefs_garden/(3)買ってすぐ~1週間程度

■5位 佐野洋菓子研究部(栃木県佐野市) 460ポイント
酒とバニラの香りが調和

「ブランデーケーキ」 1970年に初代がパン屋として創業した店。店名は部活動を想起させ、楽しげな印象を醸し出そうと、あえて「部」とつけた。ブランデーの風味を最大限引き出すため、焼き上がりにはシロップを使わずコニャック「レミーマルタン」のみを塗る。「やわらかな酒の匂いと、生地そのものから立つバニラの甘い香りがほどよい」(松尾さん)

卵には黄身が色濃い地元栃木の「御養卵」を用い、小麦粉はしっとりした歯触りに焼き上がる「宝笠ゴールド」を使っている。「クリーミーな口溶けの中にブランデーの味わいが心地よく残る」(谷さん)

(1)3240円(2)http://www.sanoyogashi.com/(3)購入してから5日程度

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