厚生労働省は26日、英国で感染が急拡大する変異した新型コロナウイルスと遺伝子配列がほぼ一致するウイルスが、東京都在住の男女2人から確認されたと発表した。男性は英国への渡航歴がある。空港検疫以外で変異ウイルスの感染が確認されたのは初めて。厚労省は国内での流行拡大を警戒し、感染対策の徹底を呼びかけている。
変異ウイルスが確認されたのは30代男性とその家族の20代女性で、ともに24日から入院している。男性は16日に英国から帰国後、せきなどの症状で21日に都内の医療機関を受診し陽性が判明した。男性は航空機のパイロットで検疫の対象ではなく、空港では検査をしていなかった。20代女性は英国の滞在歴はなく、家庭内感染の疑いが濃厚で、変異ウイルスの人から人への感染が国内で初めて明らかになった。2人の濃厚接触者は3人で、うち1人は陰性で残りの2人は確認を進めている。
変異ウイルスを巡っては、英国から帰国し空港検疫で陽性が判明した5人の感染が25日に確認されたばかり。今回、水際対策の課題が浮き彫りになったが、男性は自宅で過ごしていたといい、厚労省は市中に広がっている可能性は低いとみている。国土交通省は25日から、英国からの航空便の関係者の検査を実施することにした。
国立感染症研究所の解析によると、22日時点で、国内では変異ウイルスは見つかっていない。厚労省に感染対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード」のメンバーの一人は「感染研では国内の流行ウイルスの1割を解析している。変異ウイルスが全く検出されていないことから、国内で大流行しているとは考えにくい」と語る。一方、感染研の脇田隆字所長は「(変異ウイルスの感染)症例が増える可能性がある」と述べた。
厚労省は24日、入国前の14日以内に英国の滞在歴がある人の健康観察を徹底し、感染が確認された場合は無症状でも宿泊療養ではなく、入院対象とするよう自治体に通知した。新たな水際対策として26日以降、英国と別の変異ウイルスが見つかっている南アフリカからの帰国者には到着後、宿泊施設での待機を求め、入国前、到着時に加えて入国後3日目にも改めて検査することを決めた。陰性でも入国から14日間、自宅などでの待機を求めている。【金秀蓮、岩崎歩】
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