最も流れ星が見えるのは、1月3日の23時以降
国立天文台によると,最も流れ星が多く見られる(極大になる)時刻は、1月3日の23時~4日0時ごろ。 「しぶんぎ座」は、今は存在しない「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座に由来している。 流れ星を見るには、北の空に見られる“ひしゃく”の形をした星座で知られる「北斗七星」を目印とすると良いだろう。しぶんぎ座流星群では、北斗七星がつくる“ひしゃくの持ち手の先”あたりを中心に、放射状に流れ星があらわれる(下の図の「放射点」を参照)。 国立天文台によると、3日の夜早い時間は、しぶんぎ座流星群の放射点の高度が低いため、あまり観測には適さないという。東京の場合は、4日午前2時~5時頃までが「まずまず」の条件のようだ。 しぶんぎ座流星群は、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群と並ぶ三大流星群の1つ。 流れ星を観測しやすい期間は他の2つの流星群と比べて短く、1月3日の前後1日程度だ。また、年によって観測できる流れ星の数にムラが大きい。2021年は、観測環境が良ければ、1時間に20個程度の流れ星を見ることができる可能性があるという。 ただし、1月3日頃は夜を通じて、半月よりもさらに満月に近い状態の月が常に夜を照らしている。月明かりの影響で、例年に比べて流れ星は見えにくくなることが予想される。
流星は彗星からの贈り物
流星群はその名の通り、流れ星が大量に生じる現象だ。 それぞれ星座の名前を冠しているものの、星座と流れ星の間には何の関係もない。あくまでもその星座の方向から流れ星が多く観測されるだけだ。 流れ星の元になるのは、かつて地球の近くにやってきた「彗星」が残していったダスト(ちり)。 2020年3月には、新たに彗星が発見され「ネオワイズ彗星」と名付けられた。 ネオワイズ彗星は、7月ごろには彗星特有の長い尾をたなびかせ、肉眼でも観測できるほど明るくなった。 彗星はダストと氷でできた“汚れた雪玉”のような天体で、太陽の近くにやって来ると、氷が蒸発してダストをはじめとしたさまざまな物質を宇宙空間に放つ。このとき宇宙空間に飛散したダストが、太陽の影響で輝くことで彗星特有の「尾」を生み出している。 実はこのとき放たれたダストの一部は、宇宙空間に残り、密集した状態で漂っている。そして、地球がダストが密集した領域に地球がやってきたタイミングで、ダストは地球へと落下し、大気との摩擦によって発熱・発光して流星群となるわけだ。 流星群には、すべてダストの供給源にあたる天体があるはずだ。しかし、しぶんぎ座流星群のもととなる天体は、まだはっきりとはしていないという。 流星群は、かつて地球の周りにやってきた彗星からの贈り物だ。 新年の運試しに、ぜひ冬の寒空を見上げてみてはどうだろう。 (文、三ツ村崇志)
三ツ村 崇志
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