プロ野球の楽天に8季ぶりに復帰した田中将大投手(32)は、宮城県内の野球少年たちにも大きな影響を与えた。27日の予定だった復帰登板は延期になったが、「また日本中に元気を与えて欲しい」と心待ちにしている人がいる。
あの6球があったから――。仙台市太白区の専門学校生、千葉航大(こうだい)さん(19)は、田中投手とキャッチボールをした感触が、今も左の手のひらに残っている。東日本大震災の翌年のことだった。
2011年3月11日。小学3年生だった千葉さんは、名取市の閖上小学校の校庭でサッカーをしていた。ゴゴゴ……。地鳴りとともに、立っていられないほどの揺れが襲った。急いで校舎の屋上に避難した。その直後、黒い波が街全体をのみ込むのが見えた。
閖上の自宅は流され、野球道具も友達と遊んだ公園もなくなった。家族を失った友人もいて、避難所の空気は重たかった。
流されたグラブは、数カ月後に父・由英さんが田んぼに漂着した車の後部座席から見つけ出した。塩や泥を洗い落とし、使えるようにしていた。それでも、「野球をやっている場合じゃない」と思っていた。
震災翌年にもらった元気
翌年3月、近くの小学校に楽天の選手が来ると聞き、見に行った。校庭に止まったバスから30人ほどの選手が次々と現れた。そこに、テレビで見てあこがれ、投球フォームをまねしたあの選手がいた。
マー君だ!
想像していたよりも大きい。笑顔が優しかった。
1人ずつとキャッチボールをす…
【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら
からの記事と詳細 ( マー君に誓った「野球続けよう」 勇気もらったあの6球 - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/3w3r0mp
No comments:
Post a Comment