【花蓮=矢板明夫】台湾東部の花蓮県で50人以上が死亡した特急列車脱線事故から一夜明けた3日、本格的な原因究明が進んだ。
関係当局は同日、「線路わきの高台に止められていた作業車のサイドブレーキがかかっておらず、作業車が線路に滑り落ちて、特急列車と衝突した可能性が高い」との見方を示した。
線路付近で落石防護壁の建設が進んでいた。警察当局は、作業車の運転手ら関係者を拘束して、捜査を始めた。事故当時、作業車に人は乗っていなかった。
損傷の激しい遺体について、携帯電話や身分証明書などから身元の特定が進めている。死者数は一時、54人と報じられたが、当局が数字を訂正するなど、情報が錯綜(さくそう)した。地元メディアによると、3日夜の時点で確認された死者は51人。
行政院(内閣に相当)は3日から3日間、公的機関などで半旗を掲げ、犠牲者に哀悼を表するとした。
事故現場での救助活動はほぼ終了して、事故車両の一部が撤去され始めた。負傷者は日本人2人を含む計178人。蔡英文総統は3日、花蓮で複数の病院を訪れ、負傷者を見舞った。
菅義偉(すが・よしひで)首相と安倍晋三前首相が2日、相次ぎお見舞いのメッセージを送ったことに対し、蔡氏は「困難に遭遇するたびに台湾と日本は互いに関心を寄せ合ってきた」と謝意を示した。
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