福島大は、東京電力福島第1原発事故に伴う全村避難で打撃を受けた飯舘村のブランド和牛「飯舘牛」の再ブランド化を目指すプロジェクトに着手する。「和牛らしい甘い香り」のする牛肉に仕上げて付加価値を高め、どのような香り成分を多く含んでいるのかを具体的に示すことで市場や消費者にアピールする。同大が2日、プロジェクトを大学の重点研究分野に指定したと発表した。
研究は、福島大食農学類の石川尚人教授(61)=畜産学、飼料資源学=が代表を務める研究チームが、村の繁殖・肥育農家と協力して行う。牛肉の甘い香りに関係があるとされる脂肪酸「オレイン酸」を多く含む飼料イネを黒毛和種の肥育牛、繁殖牛に食べさせ、その牛肉を、大学にある装置で分析する。
オレイン酸や香り成分の量、肉のどの部分に多く存在するかなどを可視化する最先端の装置で、飼料イネを食べさせていない牛と比べることで香り成分がどの程度増えたかを明らかにする。香り成分の具体的な種類や、オレイン酸と香り成分の関係なども詳細に調べる。研究チームは夏にも飼料イネを食べさせ、どのような成分が増えたか、1年以内に明らかにする方針だ。
福島牛のブランド力向上にも取り組む石川教授は、原発事故で打撃を受けた飯舘牛を復活させ、生業(なりわい)を再生することで、帰還する人を増やしたいと考えている。「この研究により、飯舘牛の香り成分が通常よりどれだけ多いかなどをアピールすることが可能になる。飯舘にしかいない牛、飯舘でしか食べられない牛肉などと売り出すことによって、風評払拭(ふっしょく)や村の復興につなげたい」としている。
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