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Monday, July 5, 2021

ニューノーマルでこそ見直しを! “自分らしい香り”の上手な選び方。 - VOGUE JAPAN

コロナ禍に、香りがもたらす役割とは?

〈右から〉《H24》オードトワレ 100ml ¥16,500/HERMÈS(エルメスジャポン 03-3569-3300) デクループールユンヌプリュール 釘の果実 オードパルファム 100ml ¥14,300/SERGE LUTENS(ザ・ギンザお客さま窓口 0120-500824)

ステイホームを余儀なくされる状況が続く中、おうち時間で香水を楽しむ人や、香りを気分転換に使う人は大幅に増加した。そんな現象について「ストレスがたまる時間が続いていますが、実は香水は、歴史的にはつねに現実逃避の手段として働いてきました」とニール・チャップマンさん。「香りに気分を替える効果があることは、科学的にも実証されています。現実の状況が理想的といえないときには、気分転換が必要。よい香りを堪能して理想的な世界に心を“遊ばせる”ことは、気分をリフレッシュさせるのにとても大切です」

家の中でまとう香りについてはどうだろう。「自分が心から好きだと思える香りを身につけることで、人は“自分だけの空間”をつくることができます。フレグランスがささくれだった神経を癒し、ポジティブな刺激を与えてくれるはず。さらに香水は、自分を表現できる手段のひとつでもあります。世界中の人たちが感染症の存在にストレスと恐怖を感じている今、生き生きとした自分を表現したいなら、はつらつとした健康的な印象の香りがうってつけ。例えばエルメスの『H24』のような……。スイセン、ローズウッド、クラリセージが明るく香り、これこそ新しい始まりの象徴、といったインプレッションを受けました」

香りで自分らしさを表現する方法。

メゾン クリスチャン ディオール オードゥ パルファン エデン ロック 250ml ¥42,900(7月9日店舗限定発売予定)/DIOR(パルファン・クリスチャン・ディオール 03-3239-0618)

どんな状況下でも癒しや落ち着きを与えてくれる“自分らしい香水”の見つけ方について、ニールさんに尋ねてみた。「最初のステップとして試してほしいのは、先入観を持たずにフレグランス売り場に向かうこと。香水を選ぶときには“周囲からどう思われるか”を気にせず、とにかく自分の直感を信じましょう」

ジェンダーを感じさせない印象の香りが昨今のトレンドだけど、どのように位置づければよい?「あるときは女性的、また別のときには男性的な気持ちが強くなり、時には“自分はひとりの人間だ”という気持ちになることもあるかも。ですから、今まで気に入っていた女性向け、男性向けのフレグランスが自分の魅力を引き立てるシチュエーションがあるなら、それを捨て去る必要はまったくありません。それよりも香りへの認識を広げ、今までと違ったものを試したい気分になったら新しくジェンダーフリーな香りを取り入れてみるというように、少しずつ香りのワードローブをつくりあげていくというのが、望ましいかたちでしょう」

とはいえ、お店でムエットにつけた香水を嗅ぐのと、実際に身にまとうのとでは、香りだちも異なる。「新しい香りを試したいときには、ティッシュペーパーやコットン、ハンカチなどにフレグランスを吹きかけて、上着やシャツの内ポケットに入れておく方法を私は勧めています。あるいは、ズボンの内ポケットにひそかにしまい込むのもよいでしょう。こうした形であれば、電車の乗降時や外を歩いている最中に、自分の周囲へさりげなく広がる香りが楽しめます。あまりに香りが鼻につくなら、ポケットから出してしまうことも可能ですしね」

ニールさんが注目している、今っぽいジェンダーレスなムードの香水は?「東京の空気に触れたディオールの『エデン ロック』がどう香るのか、今からとても楽しみ。メゾン ディオールが贈るこの新作は、クールで独特の雰囲気を持ち、海風のような塩気を感じる香り。さらに、散歩道を吹き抜けるそよ風のように、かすかに花の香りが漂います。エレガントで落ち着きがあり、暑い季節にもぴったりだと思いますね」

香りでも、より自由に“自分らしさ”の表現を一人ひとりが楽しめる時代。こんな状況だからこそ、しなやかに香りを味方につけ、アップデートしてみよう。

ニール・チャップマン
作家、香水コレクター。鎌倉在住。作家として活躍するいっぽうフレグランスの蒐集、評論を続け、2019年に『Perfume: In Search of Your Signature Scent』を上梓。ヴィンテージから現代のヒットフレグランスまで、700以上の香りを紹介している。香りに関するサイト「The Black Narcissus」も主宰。

Makeup: Renee De Wit at Gloss  Models: Leya and Sebastian at Boss Models  Stylist: Louw Kotze  Production in South Africa: Baker & Co  Production Design: Daryl McGregor at Lalaland Artists  Post Production: Touch Digital London  Text: Misaki Yamashita  Editor: Kyoko Muramatsu

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