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Friday, August 13, 2021

女性を「消防団員全員が知っている…何とか救出を」腰まで泥、懸命の捜索 - 読売新聞

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 土砂が民家をのみ込んだ。13日未明、長崎県雲仙市で発生した土砂崩れ。亡くなった森文代さん(59)が見つかった民家の周辺では、激しい雨が断続的に降る中、消防や警察による捜索活動が行われた。だが、同居する夫の保啓さん(67)と、長女の優子さん(32)とは連絡が取れないまま。「まさかこんなことが……」。地元住民らはうなだれ、2人の無事を祈った。

 「長い間、土砂災害がなかったので大丈夫と思っていたが……」。土砂崩れのあった現場近くに住む男性(79)は力なく語った。13日午前3時頃、大きな雷鳴とともに自宅が停電。同5時頃に消防団員の誘導で、近くの宿泊施設「青雲荘」に夫婦で避難したという。

 男性は亡くなった文代さんと、保啓さんが車で仲良く買い物に出かける姿を頻繁に見ていた。にこやかにあいさつし、夫婦で気さくに声をかけてくれた。男性は「(保啓さんは)無事でいてほしい」と話した。保啓さんは青雲荘の元支配人で、退職後は地域行事に取り組んでいたという。

 雲仙温泉観光協会によると、優子さんは同協会の広報担当として窓口対応やイベント企画などを行う。明るく世話好きで住民から親しまれており、同僚の手島晋一郎さん(43)は「将来の雲仙を担っていく中心メンバーで、欠かせない存在。無事を祈るしかない」と声を絞り出した。

 降り続く雨の中で行われた捜索作業は二次災害の恐れがあり、何度も中断。腰の深さまで泥につかりながら、土砂をかき分けた。作業を行った地元消防団で分団長を務める福田統光さん(49)は「(優子さんは)団員全員が知っている。何とか救出したい」と話した。

 現場は雲仙市役所から南東に約14キロの山間部で、周辺は「土砂災害警戒区域」に指定されている。市は12日午後1時17分に土砂災害警戒情報が発表されたことを受け、同4時に市内全域に避難指示を発令していた。

 大雨はほかにも被害をもたらした。長崎県南島原市では、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ「原城跡」で、地面の陥没などが少なくとも3か所で見つかった。福岡県久留米市では、大量の雨水を市街地から河川に排水できず、水があふれる内水氾濫が発生。各地で冠水し、道路が通行止めとなるなどした。

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