
福岡龍一郎
(21日、高校野球選手権大会 日大山形4-3浦和学院)
同点で迎えた三回、日大山形のエース斎藤堅史君(3年)は、浦和学院の中軸に連打を浴び、再びピンチを迎えていた。1死一、三塁。
立ち上がりから高く浮いた球を狙われ、一回には2死からの4連続安打で2点を失った。もう1点も与えたくない。
打席には直前に二塁打を打たれた6番打者。フルカウントから低めのスライダーを振り抜かれたが、遊撃手の大場陽南斗君(2年)が直接キャッチ。飛び出した一塁走者を刺し、併殺に仕留めた。「よし」。斎藤君は拳を握った。
その一球一球に、祖母の純子さん(79)はテレビの前で声を上げた。甲子園から約600キロ。山形県三川町でたばこやジュースを扱う商店を営む。
三回のピンチには思わず拝んだ。「ハラハラしっぱなし」。それでも、画面に映る孫の背中はずっと大きく感じた。
共働きで忙しい斎藤君の両親に代わって、幼稚園のころから一緒に夕食を食べた。学校帰りに立ち寄る斎藤君に売り物のお菓子をあげ、兄とのキャッチボールを眺めた。
中学の時には、親元を離れて日大山形に進むか悩む斎藤君に、「本当にやりたい道を選びなさい」と背中を押した。「かわいい子には旅をさせろ。その一心でした」と振り返る。
斎藤君にとっても、活躍する姿を見せることが野球を頑張る原動力だった。
この日は主将の佐藤拓斗君(3年)が2本の適時二塁打を放ち、左翼手伊藤翔海君(同)は大飛球を背面でジャンプキャッチして、斎藤君をもり立てた。打たせて取る投球でリードを保ったまま五回でマウンドを降りた。純子さんは「本当によく頑張ったよ」と感慨深げだ。
斎藤君は「応援のパワーが届いているから勝ち進めているんだと思う。おばあちゃんにありがとうって伝えたい」。(福岡龍一郎)
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