衆院選投開票(31日)まで1週間を切る中、香川1区(高松市など)のバトルが激化している。自民前職、平井卓也前デジタル担当相(63)と、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか(なぜ君)」に登場する立憲民主党前職、小川淳也氏(50)の一騎打ちに、日本維新の会の新人、元参議院議員秘書の町川順子氏(62)が参戦し、大混戦になっている。
25日朝、高松市内でマイクを握った立憲民主党の枝野幸男代表は次世代のリーダー候補に「総理大臣になるには大きなハードルがある。選挙に強くなければいけない」とゲキを飛ばし、「今回は大躍進するチャンスだ」と期待を寄せた。
小川氏は03年衆院選から6回出馬し、平井氏に小選挙区では1勝5敗(比例復活で当選5回)。前回17年選挙で約2000票差まで迫った小川氏は「次世代はここにいる! 大勝負です」と声を張り上げた。
昨年6月、小川氏の逆風の17年間に密着しドキュメンタリー映画「なぜ君」が公開後、急速に知名度を上げた「総理になれない男」に平井陣営は警戒心を強める。この日、高松市内で街頭演説した平井氏はIT相、デジタル相と2度の入閣を果たし、1年でデジタル庁を設立した実績をアピール。「なぜ君」について「ドキュメンタリーと言っているが、明らかに本人(小川氏)に脚光を浴びせ、私をおとしめるためにつくっていることは間違いない」と語気を荒らげ、「有名になりたい、当選したいだけが目的だとしか思えない」とバッサリ切り捨てた。今回は小規模集会を行うなどアナログのどぶ板活動を徹底している。
維新の町川氏は「なぜ君」について「本来の選挙からちょっとズレている気がする」と話し、自民党に「これまでの古い体質では、庶民感情がどんどん離れていくだけ」と指摘した。
今回の選挙戦を描く続編「香川1区」は12月に公開される。【松浦隆司】
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