かんきつの皮から作られた「アロマオイル」。その香りには、愛媛の農産物そのものの価値を高めたいという願いが込められている。
白衣もビシッとキマッた、「FLORA LABO」代表の松下誠幸さん。
この記事の画像(16枚)LABO = 研究室と名前のついた施設で作っているのは、植物から香り成分を抽出したエッセンス・アロマオイルだ。
植物が放つさまざまな香り成分は、健康や癒やしをサポートするアロマセラピーとして、古くから親しまれている。
そのFLORA LABOがアロマオイルを抽出しているのが、愛南町特産のかんきつ「河内晩柑」の皮だ。
FLORA LABO・松下誠幸代表:
皆さんが精いっぱい大切に育ててた河内晩柑です
食後も余すところなく…かんきつの皮からアロマオイル
豊かに実る愛媛のかんきつ。松下さんは、おいしく食べた後に残る皮をもったいないと、常々感じていた。
ならば、愛媛ならではのかんきつのアロマオイルを作ってみようと、2年前にブランドを設立した。
FLORA LABO・松下誠幸代表:
解凍した状態で、外皮と内皮が付いてますよね。今作業しているのは、こういう手作業で内皮を取り除いています
皮の内側についている白い部分を、ひとつひとつ丁寧に取り除く。その理由は…
FLORA LABO・松下誠幸代表:
どうしても内皮があると、苦味とか雑味が出るので。これは、ものすごく手間ですが、どうしても必要な工程です
「リモネン」と呼ばれる香り成分があるのは、皮のぷつぷつ部分。
効率よく精油を抽出するために、外皮だけにした河内晩柑を今度は細かく粉状にしていく。
FLORA LABO・松下誠幸代表:
これを一定量の水と混ぜて、抽出機の釜の中に入れます。ここでグツグツ煮てます。沸騰して熱くなったものが上へ上がって、ここで冷えます。冷却されて出てきました。これが、河内晩柑の精油と香りがついたフローラルウォーターです
福吉貴文アナウンサー:
よく見ると、2層に分かれているように見えますね
アロマオイルは、原料あたり1~2%ほどしか取れない。
手間暇かけて作られるFLORA LABOのアロマオイルは、季節にあわせて4種類。愛南町の河内晩柑や鬼北町特産のユズなど、かんきつ王国・愛媛ならではなラインナップとなっている。
福吉貴文アナウンサー:
さわやかな香りが広がりますね。本当かんきつを食べているかのような、ダイレクトに香りが伝わりますね
FLORA LABOが仕入れる河内晩柑の皮は、ジュースを搾った後に残る皮だ。
仕入れ先の愛南町では、この河内晩柑のアロマオイルに期待も寄せている。
愛南町農業支援センター・岸本貴士さん:
香りということで、FLORA LABOさんに活用していただけることは、(河内晩柑の)認知度の向上につながりますし、愛南町の名前の売り込みにもつながりますし、その辺ですごく期待しているところはあります
さわやかな香り漂うプリン さらなる商品開発も
松下さんは、この河内晩柑とユズの皮を使ったスイーツの開発にも挑戦していて、3月の発売を予定している。
FLORA LABO・松下誠幸代表:
ユズの皮、河内晩柑の皮を使ったプリンです
福吉貴文アナウンサー:
プリンの食感は滑らかなのに、ふわぁっと河内晩柑のいい香りがしますね
FLORA LABO・松下誠幸代表:
皮がプリンの中に細かくして練り込まれているというプリンという意味では、全国で初めてだと思います
もともと、食品会社の機械メンテナンスをしていた松下さん。その知識を生かして、さらなる展望を抱いている。
FLORA LABO・松下誠幸代表:
1秒でパウダーにできるという機械を開発しました
それは、野菜を乾燥させてパウダー状にしたもの。瞬時に乾燥粉砕させる機械をメーカーと共同開発しているという。
FLORA LABO・松下誠幸代表:
パウダーにすると、まず、今まで捨てていたものが使えます。それから、もうひとつ特徴は、野菜の場合でしたら、葉っぱ・皮・種・茎・根、全てをこういうふうにパウダーにすると、そこから得られる栄養素が全部入っています
FLORA LABO・松下誠幸代表:
こういうふうに付加価値を上げることで、回りまわって農家さんにまた還元できるという循環型ができるんじゃないかなと思います
食べておいしい。その後も香りとして楽しんで。
余すところなく利用できるかんきつのアロマオイル作りには、農産物そのものの価値を高めたいという思いも込められていた。
(テレビ愛媛)
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