瑞穂酒造株式会社(那覇市、玉那覇美佐子社長)がリーダー企業を務め、新しいラム文化を創造するプロジェクト「ONE RUM(ワンラム)」の第6弾リリースとなる「TARAMA ISLAND RUM」が完成した。多良間島の黒糖をふんだんに使用して作られた今回のラムは、「バナナや青りんご、桃のような果実感溢れる香味の他、綿菓子やきな粉の様な、ほのかに甘く香ばしい風味が特徴」という。
瑞穂酒造の製造部商品開発室室長の仲里彬さんは「バーやホテル、クラフト・スピリッツの愛好家、そして何より沖縄や離島が好きな方々へ届けたいと思っています」とアピールした。同商品は10月21~23日に行われる「第46回産業まつり」で先行販売された後、11月以降に瑞穂酒造のECサイトや各酒販店で販売される予定だ。内容量は500mlで、アルコール度数は41度。生産数は限定800本となっている。
新たな製法「ダンダー仕込み」を採用
瑞穂酒造が10月18日、那覇市内で会見を開いて商品の完成を報告した。
多良間島は島のほとんどが耕作地となっており、日本一の黒糖の生産地。全黒糖の約4割がこの島で作られている。そんな多良間の黒糖の味わいは「非常に濃厚な風味。香り、甘み、塩味そしてコクも強く感じるバランス型」(仲里さん)。加えて、水分がしっかりととんでいて硬いことも特徴だという。
今回の多良間ラムでは、シリーズ展開する他のボトルとは違う新しい製法を導入した。それが蒸留した際に出る廃液(ダンダー)を発酵に再利用する「ダンダー仕込み」だ。バーボンウイスキーやジャマイカンラムの一部で見られる手法をベースにしつつ、ラムの製造工程に合わせて改良して導入。この手法については、廃液が酵母の栄養源となって酵母の味わいや香りが変化していくという俗説はあるが、現時点でも未解明な点が多いという。
仲里さんは「廃液を再利用することで“サスティナブル製法”とも言えるこの手法は、今後のワンラム・プロジェクトの柱ともなりうる研究だと考えていまして、今後も中長期的に研究を進めていきたいです」と話す。濃厚な味わいでバランス型の多良間黒糖の性質から、しっかりと個性を残すことができると判断し、今回試験的に初めて採用した。「おそらく製造方法としては国内初」だという。
濃厚な多良間黒糖の豊かな味わいを表現
ダンダー仕込を用いた製造工程では、発酵の段階で「これまでの風味とは全く異なるフレーバーが黒糖の香りとともに発生して、ダンダー仕込みの効果を肌で感じた」と仲里さん。本部町の桜の花から分離した酵母で発酵させることで、これまで発表したどの島のラムからもりんごジュースやピーチのようなフルーティなフレーバーを少量感じとれていたが、今回のダンダー仕込みによって「香りのボリュームが2倍にも3倍にも広がるような印象を受けました」という。
蒸留を経ると、バナナや桃、ライチといった様々なフルーツが濃縮されたような風味に、多良間島黒糖の焼き菓子のような香ばしい印象が加わった仕上がりになった。「味わいも香りも豊かで濃厚な、多良間島の黒糖をしっかりと表現できました」と自信を見せる。
からの記事と詳細 ( 濃厚で香り豊かな多良間ラム ONE RUM第6弾はサスティナブルな1本 - HUB沖縄 )
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