7月の川崎市制施行100周年に向け、川崎をイメージした香水「044 紫の音」をJR川崎駅前の地下街アゼリアにある化粧品販売店「メルヴェイユ」(川崎区)が制作している。同区で生まれ育った店主の妹尾龍哉さん(33)は「目で見たり、肌で感じたりする街を香りで表現した。楽しんでほしい」と話している。(竹谷直子)
妹尾さんが「街の香り」を香水で表現しようと思ったのは、幼いころから市の南部と北部に香りの違いを感じていたからだ。「南部は工業地帯の香り、北部は自然の香りがした。これを香水で表現することで、香りの可能性を広げたいと思った」。2020年には、川崎をイメージした香水の第1弾「044」を発表。川崎の市外局番を商品名にし、市南部の工業地帯にちなんでメタリックなイメージを想起させる香りで、川崎出身者などからは「香りで故郷を感じた」と好評だった。
川崎の香りの第2弾で、妹尾さんは街の移り変わりを表現したいと考えた。23年9月には臨海部で長年操業してきたJFEスチール東日本製鉄所京浜地区の高炉が運転を終えるという節目があった。前作の香水からメタリックの香りを抜き、川崎生まれのトウガラシの品種「香辛子(こうがらし)」の香りをベースにしたという。加えて白い小さな花を付けるムラサキ科の多年草「紫草(むらさき)」の花や、ツバキなどの香りを調合した。
「紫の音」という名前は、店の顧客から聞き取った川崎を想像する色と、「音楽のまち・川崎」から「音」を組み合わせた。
紫の音を市制100周年を盛り上げるツールにしようと、オリジナル曲やプロモーションビデオも作った。発売を予定している市制施行記念日の7月1日に向けて、インスタグラムなど交流サイト(SNS)を中心に順次公開する。
オリジナルソングを歌った妹尾さんの妻、美花子さん(32)は「今回の香りは、これから未来に向けてという明るいイメージで作った。これからの100年に向けて香りを通してつながっていけたら」と期待。楽曲制作をした広瀬眞之(さねゆき)さん(70)=東京都多摩区=は「いよいよ香水ができるという思い。期待している」と話した。
紫の音は、30ミリリットルで1万千円(税込み)。販売が終了した第1弾「044」の受注生産や、プロモーションビデオの制作費などを募るクラウドファンディングを5月22日まで実施している。購入は、店頭のほか、公式ホームページのクラウドファンディングのページでも受け付ける。
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