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Friday, May 24, 2024

トム・ハーディ、ジョー マローン ロンドンのアンバサダー就任:香りへのこだわりとロンドンへの愛を語る ... - Esquire(エスクァイア 日本版)

[目次]

▼ ロンドンの息吹をまとうトム・ハーディとジョー マローン ロンドン

▼ 大都会のイメージを覆す、深い森の香り

▼ この香りはロンドンの街そのもの

▼ 香りは記憶の扉を開く鍵

▼ 正反対のものが織りなすロンドンの魅力


ロンドンの息吹をまとう
トム・ハーディと
ジョー マローン ロンドン

エスクァイアの表紙を4度も飾った英国俳優、およびプロデューサーとして活躍するトム・ハーディが、ジョー マローン ロンドンのフレグランス「サイプレス & グレープバイン コロン インテンス」のアンバサダーに就任。そこで、ロンドン生まれロンドン育ち、まさにロンドンの申し子である彼がこの「コロン インテンス コレクション」に対して抱く想いを語る。

「サイプレス & グレープバイン コロン インテンス」を語る公式サイトのキャプションには、「洗練されていて、個性的で、大胆。サイプレスのアロマティックな香りが、グレープバインの温かみとアンバーの官能的な香りと溶け合い、フレッシュなウッディ調の香りが印象に残ります」とつづられている。

大都会のイメージを覆す、深い森の香り

サイプレス、グレープバイン、そこにアンバー、モス*⁴といったフレグランス・ノート(香調)を確認したなら、おそらく多くの人が「トスカーナのブドウ畑」といった大都会のイメージとはかけ離れた空気感につつまれ、いきなり深い森の中へと転送されたかのようなイメージで頭の中がいっぱいになることだろう。

だが、名優トム・ハーディが登場するキャンペーンビジュアル、そして、この記事の中で明かしたハーディ自身の想いを確認すれば、この香りの真相へとさらにぐっと近づけるはず。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

「原料であるサイプレスとグレープバインは、香りをつくるうえでは思いがけない組み合わせです。これを一緒に使うことを、不自然に思う人も少なくないはず。だけど、その予想をはるかに凌駕(りょうが)するかように、この二つのノートは見事な調和を感じさせてくれます」と、ハーディはメールで私たちに共有してくれた。

さらに彼は、「サイプレスとグレープバイン…それぞれの原料の個性が強みとなって、非常に愛おしい香りを漂わせてくれるのです…」とも。ジョー マローン ロンドンの中でも、香りの濃度や持続性を高めた特別なコレクション「コロン インテンス コレクション」の中でも、この「サイプレス & グレープバイン」に対する彼の想いは、古くから知る友人を讃(たた)えるかのようだ。

このコロン インテンスはロンドンの街そのもの

さらに続くメール文、「この香りは、ロンドンという街自体を表現しています――」に注目してほしい。ロンドン生まれロンドン育ち…生粋のロンドンっ子であるハーディの言うことならば、これは信頼できる言葉だ。

つまり、この「サイプレス & グレープバイン コロン インテンス」の香りから描き出される風景は、決してイギリスが誇る田園および森林風景だけではない。ロンドンという街そのものを象徴する香りとなっていることを、ハーディは力強く訴えている。

jo malone londonの新作のボトル
JO MALONE LONDON

ここでハーディの出自を再確認しておこう。

1977年9月15日にロンドンのハマースミス地区にて、広告およびコメディ作家のエドワード・ジョン・“チップス”・ハーディと、画家の母エリザベス・アンのもとに一人っ子としてハーディは生まれた。ハマースミスとはロンドンの西部に位置し、テムズ川沿いに広がる地区として美しい景色が魅力の地区だ。さらにオデオン座のホールなどが点在するなど、文化的な環境とも言える。

つまり彼は、ロンドンらしい豊かな文化と歴史に恵まれた環境の中で育ったというわけだ。

その後、一家はロンドンのイースト・シェーン地区(East Sheen)に引っ越しする。イースト・シェーンはロンドンのリッチモンド・アポン・テムズ区にあり、住宅地として知られている。この地域は緑豊かな公園や静かな住宅街が特徴で、家族向けの良い環境が整った素晴らしい街。

そこでハーディは地元の独立系プレップスクール「タワー・ハウス・スクール」*⁵に通い、さらに「ロンドン・ドラマセンター」*⁶に通うようになるが、その後は紆余(うよ)曲折も…。そうして平坦ではない道のりを経て、現在のポジションを勝ち取ったというわけだ。

そんなロンドンも申し子とも言えるハーディを主役に、キャンペーンのストーリーはロンドンを背景に展開される。しかし、それだけではない。なんと脚本は、ハーディの父親であるチップスが手がけたということ。まさに、ロンドンという街との個人的なつながりが色濃く反映されたキャンペーンとなっているのだ。

「ロンドンが好きな理由の一つは、個人個人の生き方を尊重する匿名性がありながらも、それと同時に人々が互いにつながっていられるところ…開かれた街だからです」と、ハーディ氏は続ける。

「自分なりの居場所を、見つけることができる街なんです。ロンドンでは、300種類もの言語が話されていると言われています。さまざまなバックグラウンドを持つ人々が集まり、共に暮らしている。こうした二面性、特異性、そしてそこでの違いこそが、ロンドンの大都市生活をつくり上げているのです。そんなロンドンに住む市民たち間には、深くて美しい絆でつながりながら生きているのです」

トム・ハーディ
JO MALONE LONDON

香りは記憶の扉を開く鍵

「記憶の中で香りというものは、これまでのTo Doリストや大切な人の記念日などとセットになって潜んでいるもの」というのが、ハーディの持論。つまり、ある香りが栞(しおり)となって、心の奥にしまい込んださまざまなエピソードを目の前に浮かび上がらせてくれるということだ。

人によってはタバコの香りからふと、かつて共に遊んだ祖父が愛用していたジャケットの匂いを思い起こしたり、また、焚(た)き火をイメージしたフレグランスに触れれば、特に寒かったクリスマスの日の思い出を呼び起こしたりする人もいるはず。ハーディが言うように、「香りはそれをまとう人と決して切り離せない、キャラクターの一部」と言えるのだ。

Cypress & Grapevine Cologne Intense

Cypress & Grapevine Cologne Intense

洗練されていて個性的で、大胆。サイプレスのアロマティックな香りがグレープバインの温かみとアンバーの官能的な香りと溶け合い、フレッシュなウッディ調の香りが印象に残る。

そして、「良いフレグランスとは人を圧倒しない存在であり、それをまとう人に溶け込むべきものです」とも。さらに続けて…

「1980年代後半から1990年代前半にかけて、制汗剤としてボディスプレーが何層にも重ねづけされることが流行しましたが、今から思えば、あれは“香害”とも言えるでしょう。そんな事態は避けたいものです」と言う。

“香りとは、記憶の扉を開く鍵のようなもの。過去の情景を鮮やかに呼び覚まし、心を揺さぶります。その場の空気さえ変え、私たちの感情を操り、体験を彩り、新たな物語を紡ぎ出してくれる…とても興味深い媒介です”

ハーディにとって香りとは、単なる嗅覚的な刺激ではなく、時間と空間を超えて人と人、心と心をつなぎ、想像力を解き放つ魔法のような存在なのだろう。

彼のこの言葉には、香りへの深い愛情と敬意にあふれている。香りを通して私たちは、過去と現在、そして未来をつなぎ、自分自身と世界とのつながりをより深く理解することができるであろう。ハーディが語る香りの世界観は、私たちに新たな視点も与えてくれる。香りという目に見えない存在が持つ、計り知れない可能性を彼は私たちに提示してくれたのだ。

正反対のものが織りなす、ロンドンの魅力

そんなハーディがおすすめする「サイプレス & グレープバイン コロン インテンス」は、その奥にほのかなアンバーの香りを含む、フレッシュでウッディな香りになっている。洗練された温かみのあるこのコロンは、まるでハーディにハグされているかのように、都会的な優しさに包まれた香りをインテンス(強調)している。

この夏、彼はオースティン・バトラーと共に、オートバイ・ギャングのメンバーを演じる『The Bikeriders(原題)』に出演するハーディ。そこで彼が演じるジョニーは、どんな香りを身にまとうのだろうか?

「オートバイ・ギャングの香りは、エンジンオイルやグリース、バーボン、そして熱せられた金属の匂いだからなぁ…」と、ハーディは考え込む…。きっと彼の解答は、その役柄とは正反対となる「イングリッシュ ペアー & フリージア」*⁷のフルーティな香りか、あるいは「ライム バジル & マンダリン」*⁸の爽やかな香りとなるだろう。

正反対のものは、互いに引き合うものだから。

それがまた不思議と調和していく――それこそがハーディだけでなく、ジョー マローン ロンドンにとっても発祥地であり、アイデンティティおよびインスピレーションの源となっているロンドンという街そのものだ。皆さんも、そんなロンドンを具現化した香りをぜひ味わってみてほしい。

[脚注]

*1:JO MALONE LONDON 1994年にイギリスで生まれた、上質な香料を用いたフレグランスやバス & ボディ コレクション、キャンドルやディフューザーなどのホームコレクションを展開するライフスタイルブランド。シンプルなデザインと、重ね付けを楽しむ「セント ペアリング」のコンセプトが特徴。

*2:Cypress & Grapevine Cologne Intense ジョー マローン ロンドンの中でも特に、男性に人気の香り。「サイプレス & グレープバイン」の爽やかで軽快な香りに、アンバーとウッディノートをプラスし、より濃厚で力強い香りへと仕上げている。【トップノート】サイプレス(イトスギ):まろやかなウッディノートが、爽やかな香りにアロマティックなフレッシュさを与える。【ハートノート】グレープバイン(ブドウのつる):シダーウッドとベチバーに、温かみのあるアンバー(琥珀をイメージさせる植物樹脂系の香り)とジューシーなブドウの香りをブレンド。【ベースノート】アンバー:ウッディな温かさで香りを包み込み、官能的な印象を与える。

*3:Amber 琥珀をイメージさせる、温かみのある甘さと深みのある樹脂のような香りが特徴で、バニラやトンカ豆のような甘い香りと、サンダルウッドやベチバーのようなウッディな香りが織り成す複雑で奥深い香り。香水の中ではベースノートとして使われることが多く、香りに深みと持続力を与える。

*4:Moss 主にフランス語で「苔(コケ)」を意味する「mousse」に由来し、香水やフレグランス製品に使用される香料成分の一つです。

*5:Tower House School 1931年に設立された4歳から13歳までの男子を対象としたイギリスの私立小学校。リッチモンドパークの近く、イーストシーンという地域にある。

*6:Drama Centre London ロンドンにあった世界屈指の演劇学校。1963年に設立され、演技、演出、舞台制作など、演劇に関するさまざまなコースを提供していたが、2022年に惜しまれつつ閉校した。

*7:English Pear & Freesia Cologne 英国の果樹園で収穫した熟したての洋梨の官能的なみずみずしさを白いフリージアのブーケで優しく包み、アンバー、パチョリ、ウッドで豊潤に仕上げている。ジョー マローン ロンドンのNo.1人気の香り

*8:Lime Basil & Mandarin Cologne ジョー マローン ロンドンの代表的なフレグランス。カリブ海に吹く風を思わせるライムの香りに、刺激的なバジルと香り高いホワイトタイムが加わった、清々しいモダンクラシックな香りです。

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