海外渡航者向けに新型コロナウイルスワクチンを接種したことを証明する「ワクチン証明書」の申請受け付けが26日、全国の市区町村で始まった。渡航先で入国後の隔離や陰性証明の提出が免除されるが、現状でこうした使い方ができるのは5カ国にとどまっている。
希望する人は、自身のワクチン接種券を発行した市区町村で申し込む。窓口や郵送での申請となるが、自治体ごとに対応は異なる。接種券や接種済み証、パスポートなどが必要。証明書はA4サイズ1枚で、氏名や接種を受けたワクチンの種類、接種年月日が記載される。発行手数料は無料。
証明書があれば、イタリアでは10日間の隔離などが、トルコでは入国時のPCR検査による陰性証明書の提出が免除される。ほかの3カ国はオーストリア、ブルガリア、ポーランド。
また、韓国では隔離免除に必要な書類のうちの一つとして扱われる。エストニアは証明書を認証するが、隔離などは接種の有無にかかわらず不要としている。
一方、日本への入国者は証明書があっても隔離免除などを受けられない。外務省幹部によると、シンガポールなどは日本に対し、証明書による入国規制緩和をお互いに行うよう求める立場。こうした外交上の「相互主義」もあり、日本の証明書が使える国を大幅に増やすのは簡単ではないという。(佐藤達弥)
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