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Sunday, December 19, 2021

ごみ拾い僕の仕事 不登校を経験し坂井君(三馬小4)実践 - 中日新聞

自宅から学校までの道でごみ拾いを続ける坂井義直君=金沢市内で

自宅から学校までの道でごみ拾いを続ける坂井義直君=金沢市内で

「チェルノブイリ」学び環境に興味

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)を学んだことをきっかけに、先月から独自にごみ拾いに取り組んでいる小学生がいる。昨年までは不登校で、外出したがらない状態が続いていたが、自宅にいる間に自分で環境問題などについて勉強したことで「地球をきれいにしたい」と活動を始めた。 (鈴木里奈)

 小学生は、金沢市三馬小学校四年生の坂井義直君(10)。午前九時ごろ、弟が母親と一緒に登校するのについて、自宅から小学校まで約十五分の道を、トングを持って歩く。途中のコンビニでは、たばこの吸い殻や袋、紙などが散乱しており、一つずつ丁寧に拾い集める。時には深い溝に落ちたごみも、体を乗り出して拾う。帰り道は、もっとじっくり時間をかけてごみを探す。一カ月のうち半分ほど、登校中や日中にごみ拾いを続けてきた。

 ブロック玩具で作品を作るのが好きで、チェルノブイリ原発を再現したのをきっかけに、原発の恐ろしさや環境問題に興味を持った。八月末ごろに環境活動家の動画を見てSDGsを体験したくなり、自主的にごみ拾いを始めた。

 SDGsの勉強を通して、川や海に流れ出たプラスチックごみを魚が食べ、その魚を食べた人や別の生き物に健康被害が及ぶことを知った。「このままの生活を続けていたら、僕たちの将来がなくなってしまうかもしれない」と感じた坂井君。「今僕にできることは節電やごみ拾い。ごみを少なくするため、できることを一緒に考えたい」と話す。

 坂井君は小学校の支援学級に進学したが、クラスになじめず一年の三学期から本格的に不登校になった。今年、弟の入学を機に、少しずつ学校で過ごせるようになってきた。今ではSDGsを広めようと、拾ったごみを使ったアート作品を掲載したポスターを作って学校に掲示したり、ごみ拾いの感想を学校に伝えたりしている。坂井君は「僕は、僕の将来、大切な人の将来のために頑張る」と力を込める。

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