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Saturday, March 23, 2024

放棄地に笑顔呼ぶショウガ 鹿屋・菅原地域 香り付け新酒開発、好評 名産品へ出荷量増 - 読売新聞オンライン

 鹿屋市・菅原地域の住民たちが耕作放棄地を利用し、酒造りなどに使うショウガの栽培に取り組んでいる。2月下旬にショウガで香り付けした新酒を売り出したところ、酒造会社のインターネット販売分はすぐに完売する人気ぶり。来季は酒造用の出荷量を3倍に増やす予定で「鹿屋の新たな名産品に」と意気込んでいる。

 ショウガを栽培しているのは、同市の天神町、船間町、小野原町の住民らで作る「菅原地域づくり協議会」(上薗勝己会長)。耕作放棄地を解消しようと、上薗会長が22年春から獣害が少ないショウガを数アールの畑で無農薬で栽培を始め、今季は数世帯まで広がった。

 この取り組みを知った志布志市の酒造会社「若潮酒造」がショウガを取り寄せ、品質の良さから酒造りを提案。ワイン酵母で醸造した芋焼酎にショウガを漬け込み、さらに蒸留して香り付けするなどし、1年あまりかけて商品化したという。

 酒を味わい、笑顔で幸福を呼び込んでほしいとの思いを込めて「笑う一日」と命名。ラベルには地元の観光名所「菅原神社」を描いた。ショウガのスパイシーな香りと芋独特のまろやかさが残り、蒸留酒「ジン」のようなすっきりした味に仕上がったという。

 同社によると、新酒の生産本数は2500本。2月下旬から販売を始めたところ、県内外の小売店から注文が相次ぎ、同社のインターネット販売分は既に売り切れた。鹿屋市や志布志市の酒屋などにも流通している。

 同協議会のメンバーらが19日、鹿屋市役所を訪れ、中西茂市長に新酒を贈呈。中西市長は「ショウガと芋の組み合わせが面白い。耕作放棄地を何とかしたいという取り組みの成果だ」と話し、上薗会長も「自慢の一品。多くの人に味わってもらい、耕作放棄地の解消にもつなげたい」と語った。

 好調ぶりを受け、同社は増産を決め、同協議会もショウガの酒造用の出荷量を約600キロに増やすという。新酒は一升瓶3740円、4合瓶1870円(いずれも税込み)。問い合わせは、同社(099・472・1185)へ。

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