福岡県篠栗(ささぐり)町で2020年4月に5歳の碇翔士郎(いかりしょうじろう)ちゃんが餓死した事件で、食事を十分に与えられず重度の低栄養状態に陥った翔士郎ちゃんが、保護責任者遺棄致死容疑で福岡県警に逮捕された母親の碇利恵容疑者(39)から10日連続で水しか与えられていなかったことが、捜査関係者への取材で判明した。県警によると、翔士郎ちゃんの死亡時の体重は10キロほどで、同年代の平均体重の半分程度まで痩せ細っていたという。
捜査関係者によると、碇容疑者は自分で食料を買う金がなく、水しか与えられなかった翔士郎ちゃんは危篤状態に陥ったという。県警は、碇容疑者の家庭の生活費や食事を管理していたとみられる赤堀恵美子容疑者(48)=同容疑で逮捕=の厳しい食事制限の指示に碇容疑者が無条件に従っていたとみて詳しい経緯を調べる。
碇、赤堀両容疑者は共謀し、19年8月ごろから約8カ月にわたって翔士郎ちゃんの食事の量や回数を減らし続け、20年4月18日に餓死させた疑いで今月2日に逮捕された。
県警によると、両容疑者は16年4月ごろ、それぞれの子供が同じ篠栗町内の幼稚園に通う「ママ友」として知り合ったとみられる。しかし、碇容疑者は次第に赤堀容疑者の言いなりになり、19年5月の離婚後は児童手当や生活保護費などの生活費の大半を管理されるようになったという。
赤堀容疑者は19年6月~20年6月、碇容疑者の元夫が不倫していたとうそをつき、浮気調査費などの名目で碇容疑者から約200万円をだまし取ったなどとして詐欺などの容疑で逮捕、起訴されている。
捜査関係者によると、碇容疑者は、小学生の長男と次男、三男の翔士郎ちゃんとの4人暮らしで、生活保護費などで毎月約20万円の収入があった。貯金の取り崩しや車の売却で工面した金も合わせると、赤堀容疑者に渡った金は1000万円を超えるとみられる。赤堀容疑者は多額の生活費を搾取するため「家の中を監視カメラで見張っている」などとうそをつき、19年8月ごろから一家に食事制限を指示したという。
一家は赤堀容疑者が差し入れた米や菓子などのわずかな食料を分け合うようになり、碇容疑者は赤堀容疑者の指示を信じるしかない状況に追い込まれたとみられる。一方、幼い翔士郎ちゃんは自宅に頻繁に出入りしていた赤堀容疑者に反抗したため「しつけがなっとらん」と赤堀容疑者は碇容疑者を叱責。翔士郎ちゃんは碇容疑者からたたかれたり、押し入れに閉じ込められたりする虐待を繰り返し受けたという。
篠栗町や県の児童相談所などの関係機関は、夏休み明けの小学生の兄2人が極端に痩せていたことをきっかけに19年秋から一家を見守りの対象にしていたが、幼い翔士郎ちゃんの命を守れなかった。町と児相は3日、合同で記者会見し、福岡児童相談所の森本浩所長は「結果として子供が亡くなったことを重く受け止めている」と沈痛な面持ちで語った。【浅野孝仁、一宮俊介】
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