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Thursday, June 20, 2024

明窓・「六月病」は香りで治す - 山陰中央新報社

三十三間堂で購入したお香。上品な香りが気持ちを落ち着かせてくれる

三十三間堂で購入したお香。上品な香りが気持ちを落ち着かせてくれる

 暑さで少し寝苦しくなったこの頃、対策としてお香をたく。お気に入りは、先月訪れた京都市の蓮華王院(三十三間堂)で購入したお香。1001体の千手観音像が安置された、全長120メートルに及ぶ本堂で使われているものと同じで、落ち着いた上品な香りが一時、意識を京都へ運んでくれる▼はて、旅情と思い出は誘うが寝付きに役立つのか。答えはお香が入っている箱の中にあった。赤い札に記された「香の十徳」。心身を清浄にし、くつろぎを与え、孤独を癒やし、眠りを覚ますなど、香には10の恩恵があるという▼中国北宋の詩人・黄庭堅(こうていけん)の漢詩で、室町時代に禅僧・一休宗純が日本で紹介したとされる。この「眠りを覚ます」は眠りを誘うという解釈もあるらしい▼6月は連休がなく、新年度からの蓄積した疲れがごまかせなくなる時期でもある。そうして起きる心身の不調は「六月病」とも呼ぶそうだ。この病は気象も関係するようで、気温や気圧が短時間に急変動しやすい梅雨時分は、自律神経の働きが乱れがちになる。雨天だと幸せ物質「セロトニン」や睡眠を促す「メラトニン」の脳内での分泌も減るという▼対策はお決まりの規則正しい生活だが難しいという人も多い。ならば香りに頼ってはどうか。ストレスは呼吸も浅くする。匂いは記憶や情動、自律神経調節に関わる「大脳辺縁系」に直接伝達されるという。大きく息を吸い込みたい。(衣)

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